エドワード・ブルック

エドワード・ウィリアム・ブルック3世（Edward William Brooke III, 1919年10月26日 - 2015年1月3日）は、アメリカの政治家、法律家であり、マサチューセッツ州検事総長（1963年 - 1967年）、連邦上院議員（マサチューセッツ州選出、1967年 - 1979年）を務めました。彼は、アフリカ系アメリカ人として初めて、一般投票によって選出された上院議員として、歴史に名を刻んでいます。所属政党は共和党でした。

生涯

1919年、ワシントンD.C.で生まれたブルックは、アフリカ系アメリカ人のための名門大学であるハワード大学を1941年に卒業しました。第二次世界大戦中は陸軍大尉として従軍し、戦後、ボストン大学ロー・スクールを修了して法曹界に入りました。

1961年から1962年にかけて、ボストン市の財務委員会の委員長を務め、政界への関与を深めました。1962年にはマサチューセッツ州検事総長に選出され、1964年に再選を果たしました。州検事総長として、ブルックは組織犯罪の撲滅に尽力し、犯罪組織の弱体化に成功しました。この功績により、彼は広く名声を得ました。1966年には上院議員選挙に立候補し、民主党候補を破って当選しました。彼は、アフリカ系アメリカ人として初めて一般投票で選出された上院議員であり、南北戦争後の再建期以降初のアフリカ系上院議員でもありました。彼の後にアフリカ系として選出された上院議員は、キャロル・モスリー・ブラウンとバラック・オバマ（共にイリノイ州選出、民主党）の2人です。

1967年には、ジョンソン大統領の社会不安に関する諮問委員会のメンバーに選ばれるなど、検事総長時代の経験を活かしました。彼は、いわゆる「ロックフェラー・リパブリカン」と呼ばれる共和党内の左派、穏健派に属しており、ニクソン政権の経済政策、外交政策には概ね賛同しましたが、社会政策を中心に政権に反発することもありました。その最も顕著な例は、大統領の指名した最高裁判事、ハロルド・カーズウェルの承認に反対票を投じたことです。ちなみに、カーズウェルの承認自体も、民主党と共和党の一部議員によって阻まれました。

1972年には共和党大会における基調演説者となり、また62%対34%の大差で再選を果たしました。しかし、二期目には自身の離婚問題が大きく報道され、広範な支持を失いました。1978年の改選では、民主党のポール・ソーンガス下院議員に55%対45%で敗れました。

上院議員を引退後は、低所得者向けの住宅問題に取り組みました。2002年9月には自身が乳癌にかかっていることを公表し、男性の乳癌に対する社会の認知を高める活動を精力的に展開しました。2004年には、ブッシュ大統領より文民にとって最高の栄誉である大統領自由勲章を授与されました。

2015年1月3日、老衰のためフロリダ州の自宅で死去しました。95歳でした。

脚注

United States Congress. "エドワード・ブルック (id: B000871)". Biographical Directory of the United States Congress (英語).
Edward Brooke's oral history video excerpts at The National Visionary Leadership Project
* "Who is Edward Brooke?" The Christian Science Monitor 28-October 2009

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