エドワード・ベイツ

エドワード・ベイツの生涯と業績

エドワード・ベイツ（Edward Bates, 1793年9月4日 - 1869年3月25日）は、アメリカ合衆国で法律家として大きな影響力を持った政治家の一人である。彼はエイブラハム・リンカーン大統領のもとで1861年から1864年までアメリカ合衆国の第26代司法長官を務め、南北戦争の激動の中で重要な役割を果たした。

生い立ちと初期の経歴

エドワード・ベイツは1793年にバージニア州ベルモントに誕生した。彼の家系はクエーカー教徒で、教育は地元の初等学校で始まり、その後家庭教師からの指導を受けることになった。1812年、米英戦争が勃発すると、ベイツも海軍士官候補生として召集され、バージニア州民兵に加わり、軍曹として活躍した。

1814年にミズーリ準州セントルイスに移住したベイツは、法律の学びを続け、1817年に弁護士資格を取得。以降、セントルイスで弁護士業を営み、地元の地方検事や州検事としての役職に就いた。これは彼が後に政治の世界に進出するための基盤となった。

政治活動の足跡

ベイツの政治キャリアは1820年に始まった。彼はミズーリ州憲法制定会議の代議員に選出されるとともに、州検事総長に任命された。その後、連邦下院議員としても活動し、国民共和党から当選を果たした。1828年には再選を狙ったが失敗し、その後は再び弁護士業に戻りつつも、ミズーリ州上院議員としても活躍していた。

彼は1840年代にはホイッグ党で重要な役割を果たし、1850年には陸軍長官を辞退した。ホイッグ党の大会では副大統領候補として挙げられることもあったが、党が解体すると共和党に参加し、奴隷制廃止に向けた活動を展開した。1860年の共和党全国大会では大統領候補として名前を挙げられたが最終的にはリンカーンに敗れる。

リンカーン政権における役割

1860年にリンカーンが大統領に就任すると、彼はベイツを司法長官として指名した。ベイツは自由黒人をアフリカに戻すべきという立場を取っていたため、リンカーンとの意見が対立することもあった。それでも、彼は政権内で穏健派としての意見を持ち、南北戦争では軍事衝突に対して慎重な姿勢を崩さなかった。

彼の南部の戦後処遇に関する意見はリンカーンと相反し、広範な恩赦を重視するベイツに対し、リンカーンはインフラの再建を優先していた。こうした意見の相違が彼の辞任に至る結果となる。

晩年と死去

司法長官職を退任した後、ベイツはミズーリ州に帰郷し、1869年にセントルイスで亡くなった。埋葬はベルファウンテン墓地に行われたが、その後、遺体は別の場所へ移され、その正確な場所は現在不明である。

家族

ベイツの家族には、父親がアメリカ独立戦争で従軍したトマス・フレミング・ベイツ、母親はカロライン・マチルダ・ウッドソンがいる。彼は1823年、ジュリア・ダヴェンポート・コウルターと結婚し、二人の間には多数の子女が生まれた。

エドワード・ベイツの人生は、彼の法律家としてのキャリアを超え、アメリカの政治と法の歴史において重要な意義を持ち続けている。彼の活動は、今日のアメリカにおける多くの法的・社会的問題に対する基盤を築いたと言える。

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