エドワード・R・マロー

エドワード・ロスコー・マロー

エドワード・ロスコー・マロー（Edward Roscoe Murrow）は、1908年4月25日にノースカロライナ州ギルフォード郡に生まれた著名なアメリカのジャーナリストであり、アンカーマンです。彼はクエーカー教徒の家庭で育ち、ワシントン州立大学を卒業後、1935年にCBSへ入社し、ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせました。

従軍記者としての活動

マローは、CBSに入社後、主にラジオジャーナリストとして第二次世界大戦の前後に活躍しました。特に1937年からはロンドンを拠点にヨーロッパ戦線の報道を担当し、バトル・オブ・ブリテンに関するレポートなどで高い評価を得ました。彼の「This is London」というフレーズは多くの聴取者を魅了し、マローのトレードマークとして広く知られるようになりました。特に恩師であるアイダ・アンダーソンからのアドバイスで、「This…is London」と表現を変えたことが、彼のキャリアをさらに光らせました。

テレビジャーナリストとしての功績

戦後、1946年にアメリカに帰国したマローは、テレビの黎明期にCBSにおいてアンカーマンとしての新たな道を歩みました。1947年にはエリザベス王女の結婚式の中継を担当し、その後もドキュメンタリーシリーズ『See It Now』やインタビュー番組『Person to Person』で活躍し、彼の名声は全国に広まりました。特に『Person to Person』では著名人が多数出演し、その中には後にアメリカ合衆国大統領となるジョン・F・ケネディも含まれており、アメリカ国民にとっての人気番組となりました。しかし、彼は次第にバラエティ傾向が強まる番組作りに疑問を感じるようになりました。

マッカーシズムへの強い批判

1950年代の冷戦期には、アメリカでマッカーシズムが蔓延しました。マローはその中で危険な反共主義運動に対抗し、特に自らの番組『See it Now』内でミシガン州空軍のマイロ・ラドゥロヴィッチ中尉の問題を取り上げ、マッカーシーに対する初めての公然とした批判を行いました。その後、彼は『A Report on Senator Joseph McCarthy』という特別番組を放送し、マッカーシーの不当な行動を厳しく非難しました。この放送は、彼がアメリカの大手メディアにおける勇敢な先駆者であることを確立するものでした。

ネットワークからの攻撃と反論

マッカーシーから受けた虚偽の攻撃に対して、マローは冷静に反論しました。彼は、フェアネスドクトリンに基づいてマッカーシーからの反論の時間を与えられ、視聴者に事実を説明することで支持を集めました。その結果、アメリカのメディアはマッカーシー批判の声を上げ始め、彼の暴走を食い止めるきっかけとなりました。最終的にマッカーシーは自身の不正行為とともに、国民の反発を招くこととなり、彼の権力は衰退しました。

USIAでの役割と死去

1958年には『See It Now』の放送が終了し、彼は引き続きCBSで活動しましたが、1961年にジョン・F・ケネディ大統領から合衆国情報庁長官に任命され、CBSを退職しました。未亡人になったケネディの国政で彼は重要な役割を果たしましたが、1964年に体調不良を理由に辞任し、1965年には肺癌により58歳で逝去しました。

主な業績

彼の功績は、1951年から1958年にかけての『See It Now』や『Person to Person』を通じて数多くの視聴者に影響を与えました。彼は1964年にアメリカの大統領自由勲章を授与され、イギリスからナイト爵を受けるなど、その業績は国際的にも評価されました。また、彼の生涯や業績は2005年の映画『グッドナイト＆グッドラック』において描かれました。この作品は、彼のマッカーシズムとの戦いを描いたもので、アカデミー賞にもノミネートされています。

まとめ

エドワード・マローのジャーナリズムへの献身や勇気ある発言は、アメリカのメディアや歴史において重要な位置を占めています。彼の名前は、今なお真実を追求するジャーナリストの象徴として語り継がれています。

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