エビ亜目

エビ亜目の特徴と分類

エビ亜目（Pleocyemata）は、エビ目（十脚目）を二分する重要な分類群であり、一般に「抱卵亜目」とも呼ばれます。この分類には、エビに限定されないカニやヤドカリなどが含まれています。しかし、クルマエビなどは別の「クルマエビ亜目」に分類されるため、注意が必要です。

特徴

エビ亜目の代表的な特徴の一つは、成体が持つ鰓の構造です。これには、弁状の構造を持つ「葉鰓」（phyllobranch）や、毛のような構造の「毛鰓」（trichobranch）が含まれ、クルマエビ亜目の「根鰓」と明確に区別されます。また、エビ亜目はメスが受精卵を腹肢に特有に付着させて保護することが特徴的です。このため、卵は一般的に大粒で数が少なめです。成体のメスは、卵を守る目的で腹肢が長かったり、腹部が幅広であったりすることが多く、オス・メスの違いが視覚的に区別しやすいです。

エビ亜目の幼生は、卵の中でノープリウス期を過ごした後、ゾエア幼生として孵化します。一部の種は、一生を淡水環境で過ごすことがあり、特にミナミヌマエビやザリガニ類、コシオリエビ、サワガニなどは、幼生期の多くを卵の中で成長させます。このため、エビ亜目の卵は特に大きく、成長に必要な栄養素を豊富に蓄えています。

エビ亜目の中には、成熟しても全長が数ミリメートルにしかならないものから、1メートルを超えるロブスター、大きな脚を広げると3メートルにも達するタカアシガニまで、多岐にわたるサイズや生態を持つ種が存在しています。

分類

エビ亜目の分類は多くの系統に分かれており、例えば、オトヒメエビ下目（Stenopodidea）やコエビ下目（Caridea）などがあります。また、エビ亜目にはプロカリス上科、オキエビ上科、ヌマエビ上科、エビジャコ上科、ザリガニ下目（Astacidea）など、さまざまな上科や下目が含まれています。

具体的には、オトヒメエビ、ドウケツエビ、アカザエビ、ロブスターを含むアカザエビ上科（Nephropoidea）、日本のニホンザリガニやアメリカザリガニが属するザリガニ上科、その他のさまざまな海洋生物群が網羅されています。

特に、ヤドカリ下目（Anomura）やカニ下目（Brachyura）には、ホンヤドカリや様々なカニ類が属し、さらに多様な生態を示します。これらの分類群は、それぞれ独自の生態系において重要な役割を果たしており、海洋環境の保全にとっても欠かせない存在です。

総じて、エビ亜目は生物の中でも非常に多様性に富んでおり、その独特の生態や体の構造により、多くの環境に適応して進化してきたことがわかります。

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