エピゴノイ

エピゴノイの物語

エピゴノイ（古希: Ἐπίγονοι, Epigonoi）は、ギリシア語で「後に生まれた者」を意味し、「エピゴノス」（epigonos）の複数形です。この言葉は、ギリシア神話の中で特にテーバイ攻めの七将の子供たちを指す用語として使用されています。彼らは、父親たちが敗北した十年後に、復讐を誓い再びテーバイを攻撃しました。

友人や親族を失った彼らが果たす運命の物語は、古代の吟遊詩人たちによって語り継がれてきたもので、背景は紀元前14世紀の史実に基づいているとも言われています。この物語は、ロバート・グレーヴスにより考察されています。

エピゴノイの戦い

テーバイ攻めの七将が誰であったかに関しては様々な説がありますが、それに応じてエピゴノイが誰であるかについても異なる伝承が存在します。アポロドーロスの記述によると、次の八名がエピゴノイとされています：

• - ポリュネイケースの子テルサンドロス
• - アドラーストスの子アイギアレウス
• - アムピアラーオスの子アルクマイオーン、アムピロコス
• - テューデウスの子ディオメーデース
• - パルテノパイオスの子プロマコス
• - カパネウスの子ステネロス
• - メーキステウスの子エウリュアロス
• - ヒッポメドーンの子ポリュドーロス（説による）

このような背景を持ち、エピゴノイの戦いは、七将の戦いとは逆の運命を辿ります。彼らは勝利を収め、テーバイを陥落させました。唯一生還したアドラーストスの子アイギアレウスはこの戦いで命を落としました。

アルクマイオーンの葛藤

エピゴノイの戦いの十年後、彼らは父たちの志を引き継ぎ、テーバイへの再攻撃を計画します。デルポイの神託では「アルクマイオーンが指揮をとれば勝利を得る」と伝えられましたが、アルクマイオーンはこの戦いに対して気乗りしませんでした。彼と弟アムピロコスの間で激しい口論が繰り広げられ、その議論は母親エリピューレーに委ねられることになりました。

この状況にいち早く気が付いたテルサンドロスは、ハルモニアーの魔法の婚礼衣装をエリピューレーに贈ることで、彼女を説得し、アルクマイオーンには渋々指揮を執ることとなります。

テーバイの陥落

エピゴノイの軍勢がテーバイを攻める際、城外でエテオクレースの子ラーオダマースが待ち受けていました。烈しい戦闘の中、ラーオダマースはアイギアレウスを斃しましたが、その直後にアルクマイオーンによって討ち取られます。結局、テーバイの勢力は敗北を喫し、撤退を余儀なくされました。

予言者テイレシアースは、アドラーストスの息子アイギアレウスが死亡すればテーバイは滅びると予言し、逃げることを勧めました。結局、彼の予言どおり、テーバイは征服され、暴れ回るエピゴノイによって略奪されることになります。

その後の運命

最終的に、アドラーストスは息子の死を聞き悲嘆に暮れ、テーバイは無残に陥落しました。エピゴノイは勝利を収め、戦利品をアポローンに捧げる誓いを立てましたが、戦の果てに待っていたのは母親エリピューレーとの悲劇的な対立でした。過去の血筋の呪いを受けたアルクマイオーンは母を殺害する運命を辿り、エリーニュスたちに追われる身となります。

エピゴノイの一部はその後、トロイア戦争にも参加し、さらに彼らの運命は続いていきます。このように、エピゴノイの物語はギリシア神話の中でも重要な章を占め、その教訓や悲劇は多くの人々に語り継がれていくのです。

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