エフエムわたり

株式会社エフエムわたりについて

株式会社エフエムわたり（えふえむわたり）は、宮城県亘理郡亘理町で地域密着型のFM放送を行っていた特定地上基幹放送事業者です。愛称は「エフエムあおぞら」で、地域への情報提供やコミュニティサービスを目的としていました。

概要

株式会社エフエムわたりは、2018年10月に正式に開局しましたが、その起源は2011年の東日本大震災にさかのぼります。当時、亘理町は緊急の情報発信手段として、臨時災害放送局「わたりさいがいエフエム」を設立しました。この局は、周波数78.6MHzから79.2MHzに変更され、地域の防災情報を提供しました。

震災の影響を受けた地域の復興に努める中で、運営を担う特定非営利活動法人「エフエムあおぞら」は、亘理町からの業務受託を受けて、コミュニティ放送局の設立に向けて動き出しました。その後、エフエムあおぞらの運営法人として株式会社エフエムわたりが設立され、地域の方々からの出資を募る形で開局に至りました。

放送局は、亘理町吉田にあるエフエムあおぞらの事務所を本社とし、スタジオや送信所は亘理町逢隈高屋のショッピングセンター内に設置。周波数79.2MHz、空中線電力20Wで放送を開始しました。また、インターネットラジオも実施し、地域の様々な情報を発信しました。

放送内容と運営

エフエムわたりでは、平日は朝9時から夕方6時まで、土日は朝9時から午後4時まで放送を行い、地域のニュースやイベント情報、特産品の紹介などを行っていました。さらに、地域の広報誌「ClubあおぞらMAGAZINE」は、亘理町や周辺地域の加盟店を通じて配信され、地域に密着したプラットフォームとして機能していました。

開局当初から経営の厳しさは続いたものの、コロナ禍の影響により地域の経済が落ち込み、2023年10月には放送を休止することが決定されました。その後、2024年3月末に廃局となることが発表され、宮城県における臨時災害放送局を前身としたコミュニティ放送局の廃局という新たな事例が生まれました。

沿革

• - 2011年：東北地方太平洋沖地震に伴い、わたりさいがいエフエム開局（3月24日）、周波数変更（4月2日）。
• - 2013年：特定非営利活動法人エフエムあおぞら設立（2月25日）。
• - 2017年：株式会社エフエムわたり設立（4月17日）、インターネットラジオ開始（4月27日）。
• - 2018年：特定地上基幹放送局の免許取得（11月26日）、開局（11月27日）。
• - 2023年：放送休止（10月1日）。
• - 2024年：廃局発表（3月1日）、廃局（3月31日）。

このように、株式会社エフエムわたりは地域の人々への情報伝達を通じて、災害の影響を受けた亘理町の復興支援を行ってきましたが、経営の厳しさやコロナ禍による影響から、約6年の活動を経てその幕を閉じました。

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