エフエム九州

株式会社エフエム九州（CROSS FM）について

株式会社エフエム九州（エフエムきゅうしゅう）は、福岡県北九州市に本社を置き、福岡県を放送対象地域とするFMラジオ局である。愛称はCROSS FMであり、多くのリスナーに親しまれてきた。この局は、開局当初から音楽や情報を提供することを目的に、地域に根ざした放送を行ってきたが、経営の厳しさから経営破綻を経験し、その後新法人に事業を引き継ぐことになった。

歴史と成り立ち

エフエム九州は1993年9月1日に開局し、福岡県内で2番目の民間FM放送局としてスタートした。構想当初は西日本新聞社の関連企業として、朝日新聞社や九州朝日放送（KBC）の支援を受けていた。開局当初から音楽中心の番組編成で、特に洋楽に重きを置いた選曲が特徴となった。

福岡県では、地元の文化や音楽をテーマにした番組を数多く放送し、市民のアイデンティティを形成する一助となっていた。主調整室は北九州市と福岡市向けで、それに応じたCMの制作も行われていたものの、実際にはあまり活用されなかった。

開局初期には、KBCラジオとの共同生放送や他FM局とのネットワークも行われ、地域情報を発信することに力を入れていた。このように地元密着型の放送を通じてリスナーとつながっていた。ところが、2008年に経営破綻を迎え、この局はその後清算手続きに入ることとなる。

経営的な課題と新会社の設立

開局以来、エフエム九州は経営上の苦境に立たされていた。毎年の決算が黒字になることがなく、資本金も10億円から1億円に大幅に削減されてしまう。様々な経費削減策を講じるも、広告収入の減少は避けられず、最終的には自力による経営再建が断念される結果となった。それを受けて、経営権は新しく設立された株式会社CROSS FMに移行された。

この移行には、放送内容の継続が含まれており、リスナーには新会社としてのCROSS FMが知られることとなった。新法人は、旧法人が抱えていた負債問題などから解放され、音楽シーンへの貢献を続けるために放送業務を引き継ぎ、新たなスタートを切った。

放送内容とリスナーとの関係

CROSS FMとして再スタートした後も、幅広い音楽ジャンルに対応した放送は続いた。特に、洋楽を中心にアニメソングや演歌なども流されるなど、多様な選曲がリスナーからの支持を得て生涯を迎えた。また、アーティストナビゲーターを起用し、地元の音楽シーンを盛り上げるための活動も行われていた。

リスナーとのコミュニケーションも大切にされ、ラジオカーによる現場リポートなども実施され、地域のイベント情報などを積極的に発信していた。さらに、メールマガジンやポッドキャスティングを通じて、より多くのリスナーとの接点を持とうとする姿勢も見られた。

まとめ

エフエム九州は、地元音楽シーンを支える重要な役割を果たしてきた資料であり、その後のCROSS FMという新法人による放送活動が引き継がれたことからも、地域における音楽の重要性が再確認された。経営再建の過程で培った経験は、今後の地域密着型メディアの在り方に影響を与えるものとなるだろう。

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