エフ・ホフマン・ラ・ロシュ

企業概要

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ（F. Hoffmann-La Roche, Ltd.）は、スイス・バーゼルを本拠地とする国際的な製薬およびヘルスケア企業です。スイス証券取引所に上場しており、その株式コードはSIX: ROGです。ロシュグループは、持株会社であるロシュ・ホールディング（Roche Holding AG）が統括しており、各国の現地法人への出資は中間持株会社であるロシュ・ファームホールディング・ビー・ヴィ（Roche Pharmholding B.V.）を通じて行われています。

グローバルな展開

ロシュは世界中に拠点を持ち、ドイツのマンハイム、イギリスのウェリンガーデン、アメリカのニュージャージー州やカリフォルニア州などに重要な施設を構えています。また、中国の上海にも拠点があります。日本においては、1924年にエヌ・エス・ワイ合名会社を設立し、1970年代には医薬品の製造許可を取得した初の外資系企業として進出しました。2001年には中外製薬との業務提携を結び、2002年に中外製薬を買収することで日本市場でのプレゼンスを強化しました。

製品と事業

ロシュグループは、医薬品事業だけでなく、1968年から進出している試薬事業でも知られています。診断薬や医療機器を提供するロシュ・ダイアグノスティックスは、1998年に日本法人としてロシュ・ダイアグノスティックス株式会社が設立され、グループ内での診断薬の取り扱いを担っています。1997年には、ドイツの試薬大手ベーリンガー・マンハイム社を買収し、診断薬市場での競争力をさらに高めました。

歴史と発展

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社は1896年にフリッツ・ホフマン・ラ・ロシュによって創業され、当初はビタミン剤の生産から始まりました。1957年には、抗不安薬の「リプリウム（クロルジアゼポキシド）」を発売し、その後も抗不安薬市場において重要な商品である「ヴァリウム（ジアゼパム）」を導入しました。1990年代に入ると、ロシュは抗癌剤に力を入れるようになり、さらにはインフルエンザ治療薬「タミフル」の製造専売特許を取得し、2000年代には主力商品として広く知られるようになりました。

このように、エフ・ホフマン・ラ・ロシュは、医薬品およびヘルスケア市場において長い歴史と多様な製品ラインを持つ企業であり、グローバルな展開を続けています。

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