エマーム・ホメイニー国際空港

エマーム・ホメイニー国際空港（IKA）は、イランの首都テヘランの南約30kmに位置する国際空港です。メヘラーバード国際空港の代替として建設され、イラン革命の指導者ルーホッラー・ホメイニー師にちなんで命名されました。現在、大規模なターミナル2が建設中ですが、完成時期は未定です。

歴史

開港まで

空港の建設はイラン革命以前から開始され、アメリカのダラス・フォートワース[[国際空港]]をモデルに設計されました。当初はアメリカの設計コンソーシアムTAMSが担当し、その後、地元企業との合弁会社TAMS-AFAが設立されました。しかし、イラン革命により計画は凍結されました。その後、イラン政府は国内技術での建設を決定し、フランスのADPが主導する形で進められましたが、契約は破棄され、最終的に被抑圧者財団（M&J財団）がメイン・ターミナルを完成させました。第2ターミナルの建設と全体の管理はトルコ・オーストリアのコンソーシアムTAVに引き継がれました。

開港と混乱

開港は2004年2月1日に予定されていましたが、燃料供給問題などで5月8日に延期されました。開港直前には地元航空会社が移転を拒否し、TAVが運営から撤退させられるという混乱が生じました。開港後も、外国企業が運営に関与していることを理由に革命防衛隊によって閉鎖される事態となりました。最終的に、空港は再開されましたが、開港当初の混乱はイラン国内外で大きな話題となりました。

メヘラーバードからの国際線移転

メヘラーバード国際空港からの国際線移転は段階的に進められました。当初はペルシア湾岸諸国発着便のみが移転し、その後、国内線と巡礼便を除く全ての国際線がエマーム・ホメイニー空港に移転しました。最終的に2007年10月28日には、ダマスカス、ジッダ、マディーナなど一部の便を除き、全ての国際線がエマーム・ホメイニー空港に移転しました。

施設・運用の問題

空港の設計には、天井の低さや洗面所の不足などの批判があります。これらの問題は、メヘラーバード空港からの移転に伴い、運用能力に関する問題にまで発展しています。また、第2ターミナルの建設が遅れており、空港のキャパシティ不足が懸念されています。

2008年の利用客による抗議

2008年1月、イランを襲った暴風雪の影響でフライトが欠航となった際、空港利用客は、情報不足やサービスの欠如に不満を募らせ、抗議行動を起こしました。この混乱を受けて、イラン航空は空港運営から撤退しました。

空港利用税

イランのパスポート保持者は、年齢に関わらず、出国時に空港利用税が課税されます。税額は出国回数や渡航先によって異なり、イギリス、アラブ首長国連邦、トルコへの出発は税額が高く設定されています。海外在住のイラン市民は現在、空港税は免除されています。

就航航空会社と就航都市

エマーム・ホメイニー国際空港には、多くの国際線が就航しています。過去には様々な航空会社が就航していましたが、現在はイラン航空やマハン航空などが主要な航空会社となっています。

事件・事故

2007年12月には、KLMオランダ航空機がルフトハンザ航空機と接触する事故が発生しましたが、幸いにも死傷者は出ませんでした。2020年1月には、ウクライナ国際航空752便が離陸直後に革命防衛隊のミサイルによって撃墜され、乗員乗客全員が死亡するという痛ましい事故も起きています。

交通

市内へのアクセスは、地下鉄とタクシーが利用できます。

地下鉄

2017年8月には、テヘラン・メトロ1号線が空港に乗り入れ、市内中心部まで地下鉄でアクセスできるようになりました。

タクシー

到着ゲートを出たところにタクシー乗り場があります。テヘラン市内までは定額料金制ですが、所要時間は1時間から3時間程度かかる場合があります。白タク行為には注意が必要です。

まとめ

エマーム・ホメイニー国際空港は、イランの首都テヘランにおける主要な国際空港です。開港当初は混乱もありましたが、現在は安定した運用がなされています。空港の施設やサービスは改善の余地があるものの、市内へのアクセスも便利になり、利用者の利便性は向上しています。

国際空港公式ウェブサイト（ペルシア語）（英語）'>外部リンク

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