エミール・ギメ

エミール・エティエンヌ・ギメについて

エミール・エティエンヌ・ギメ（Émile Étienne Guimet、1836年6月26日 - 1918年8月12日）は、フランスの実業家であり、美術の鑑定士としても名を馳せた人物です。出身地はローヌ県のフルーリュー＝シュル＝ソーヌで、リヨンに生まれました。彼の父、ジャン・バチスト・ギメは化[[学者]]で、母ロザリーは画家という家庭に育ちました。

経歴の概要

1860年、ギメは父が開いた工場の経営を引き継ぎましたが、同時に多様な文化への関心を持ち続けました。特に1865年にエジプトを訪れたことが、異なる文明や宗教に対する彼の興味をさらに深めるきっかけとなりました。1867年のパリ万博における出展や、1873年に開催された国際東洋学者会議への参加を通じて、日本の宗教に対しても強い興味を示しました。

その結果、フランス政府から「極東宗教学術調査使節」としての認定を受けた彼は、1876年にアメリカへ渡り、画家フェリックス・レガメと合流。その後、日本への訪問を果たしました。横浜に上陸した彼は、東京で松本荘一郎の家を訪れ、彼から東京を案内されました。また、彼は河鍋暁斎とも交友を結び、東京では文部大丞の九鬼隆一とも面会しました。京都では浄土真宗の幹部との会談も行いました。

日本滞在中、ギメは廃仏毀釈の影響で焼却の危機にあった多くの仏像や仏具を収集しました。彼とレガメは1876年11月3日に神戸を出航し、中国、インドを経由して1877年3月にフランスへ帰国しました。

ギメ宗教博物館の設立

1878年のパリ万博では、日本から持ち帰った資料を展示し、再び九鬼に再会しました。翌年、彼はリヨンにギメ宗教博物館を設立します。この博物館は1889年にパリ6区イエナに新たに建設された施設に移り、フランス国立ギメ東洋美術館となりました。

日本への関心

ギメはその後も日本に対して深い関心を持ち続けましたが、生前に再度渡日することはありませんでした。彼の日本に関する研究や収集活動は、東洋の美術や文化の理解に多大な影響を与えました。

著作と影響

ギメは、自身の日本体験を元にいくつかの著書を刊行しています。日本語訳された著作には、『明治日本散策　東京・日光』や『東京日光散策』、また『1876ボンジュールかながわ フランス人の見た明治初期の神奈川』があり、いずれも彼の視点から見た明治時代の日本が描かれています。これらの書籍は、彼の旅の記録とともに当時の日本文化を伝える貴重な資料です。

さらに、テレビ番組『海を渡った600体の神仏 -明治9年エミール・ギメが見た日本-』では、彼の体験が再現され、多くの視聴者にその意義が伝えられました。ギメの功績は、東洋文化への理解を深めるうえで今もって重要です。

もう一度検索