エムデン (軽巡洋艦・3代)

エムデン (Emden)

エムデンは、第一次世界大戦後のドイツで初めて建造された軽巡洋艦であり、特異な設計が施されている艦船です。この艦船は、ヴァイマル共和国軍によって建造されたもので、特に他に同型艦が存在しないことが特徴です。また、エムデンはこの名前を持つ艦としては3隻目となります。

概要

本艦は主に沿岸警備のために設計されましたが、実際には練習艦として活動し、多くの国々を訪問しました。その基本的なデザインは、ドイツ帝国海軍のケルン級軽巡洋艦から着想を得ていますが、戦訓に基づく改良が加えられています。

電気溶接技術を用いた船体の建造により、従来のリベット留めによる方法よりも軽量化されており、当時の巡洋艦の中でも先進的な技術を取り入れています。性能としては特筆すべき点は少ないものの、世界大戦後のドイツ海軍の技術発展に寄与した点で重要な存在とされています。

艦形

エムデンの船体形状は平甲板型で、艦首はクリッパー型となっており、5,000トン前後の排水量があります。連合国による制限があったため、武装は一部省かれていますが、艦首甲板には15.2cmの速射砲が設置されています。また、艦の構造は明確で、主砲の他にも複数の武装が配置されています。具体的には、45口径の高角砲や魚雷発射管も搭載されています。特に、エムデンと日本の重巡洋艦「加古」との間での交換見学会も行われたことがあります。

艦歴

エムデンは、1921年にヴィルヘルムスハーフェン工廠で起工された後、1925年に進水し、同年末に就役します。艦長はリヒャルド・フェルスター大佐であり、彼の指導の下、エムデンは練習艦として大西洋、太平洋、地中海を航海しました。特に1927年には日本を訪れ、この際に乗組員が日本側の艦船を見学したことで、日独間の友好関係が築かれました。

1930年代には、艦の防御力を高めるために改装され、また高角砲や機銃も増設されました。ナチス政権下で再軍備が進む中、エムデンもその一部として再評価され、ドイツ海軍の一翼を担いました。

1940年のノルウェー侵攻においては、オスロの攻撃部隊に参加し、その後はバルト海に戻り再び練習艦としての役割を果たしました。加えて、1945年にはソ連軍の進攻が迫る中で避難活動を行い、また重要な人道的任務も果たしました。しかし、最終的にはキール軍港で被爆し、1945年4月に除籍、同月に自沈します。

エムデンの歴史は、技術革新と国際関係の変遷を映し出すものとなっており、第一次世界大戦後のドイツ海軍の姿を象徴する艦船であるといえるでしょう。

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