エメラルディア

『エメラルディア』（EMERALDIA）は、1993年7月に日本のゲームメーカーであるナムコ（現：バンダイナムコエンターテインメント）からアーケードゲームとして登場した落ち物パズルゲームです。

本作は、同社が開発したアーケード基板である「NA-1」を採用しており、『F/A|F_A』や『コズモギャング・ザ・パズル』といった他のタイトルでも使用されたこの基板上で動作します。ゲームの企画は見城こうじ氏が担当しました。

ゲームシステム

ゲームの基本的な流れは、3つのキューブがL字型に連結されたブロックを操作し、フィールド内に落下させて積み重ねていくことです。

フィールド上のキューブを消去するには、同じ色のキューブを上から接触させる必要があります。一度接触させるとキューブにヒビが入った状態（1ダメージ）となり、さらにもう一度同じ色のキューブをぶつけることで完全に破壊され消滅します（2ダメージ）。キューブが消滅すると、その上に積み重なっていたブロックがあれば、それらは重力に従って落下します。

このゲームシステムの大きな特徴は、ダメージが隣接する同色のキューブにも伝播することです。縦、横、そして斜めに隣接する同色のキューブ全てにダメージが連鎖的に伝わるため、これを活用することで一度に多数のキューブを破壊することが可能となります。さらに、破壊によって落下してきたキューブが、再び同じ色のキューブと接触してダメージを与えたり消滅させたりすることで、いわゆる「連鎖」が発生し、より多くのキューブを一挙に消去する爽快感を味わうことができます。

フィールドがブロックで埋め尽くされ、次に落ちてくるブロックを配置する空間が全くなくなるとゲームオーバーとなります。ただし、フィールドが一時的に全て埋まってしまっても、次のブロックの落下によってキューブを消去し、新たに空間を作り出すことができればゲームは続行します。

また、ブロックを積み上げていき、画面の上端にある赤いラインを超えてしまった場合、そのラインを超えた部分は分解され、左右どちらか一方に転がります。この転がる方向は一度だけ任意に変更することができ、この操作がゲームの行方を大きく左右する場面も存在します。

ゲームモード

本作には、プレイ目的に応じて3つのゲームモードが用意されています。

アドベンチャーモード

ステージクリア型のモードです。各ステージにはあらかじめ様々な形のキューブが積まれており、これらのキューブを破壊して、フィールド内に閉じ込められた海の仲間たちを全て画面の一番下まで落下させることが目標となります。全7つの「OCEAN」が存在し、それぞれに原則として5ステージ（アーケード版の南太平洋は3ステージ、最終OCEANは7ステージ）が設定されており、合計40ステージ（携帯アプリ版は42ステージ）で構成されています。各OCEANをクリアした際や、ゲームオーバー後にコンティニューを選択した際には、特殊な効果を持つアイテムを入手できる機会があります。これらのアイテムは、「レバー上＋ボタン」の操作で使用できますが、入手した次のOCEANでしか使用できないという制約があります。

ノーマルモード

フィールドが何も積まれていない状態からゲームが始まり、ひたすらキューブを消し続けてスコアを稼ぐ、制限のないエンドレスモードです。アーケード版の初級設定では、落下レベルが20に達するとゲームが終了します。キューブを一定数落とすたびに画面のNEXT表示部にあるゲージが蓄積され、これが満タンになると、置いたブロックの真下にあるキューブの色と同じ色のキューブをフィールド上から全て消去する効果を持つ「スター」アイテムが出現します。

対戦モード

プレイヤー2人で腕前を競い合うモードです。相手よりも多くのキューブを効率よく破壊することで、相手プレイヤーのフィールドに下からキューブをせり上がらせて送り込むことができます。この送り込まれるキューブの中には、顔が描かれた「おじゃまキューブ」が含まれることもあります。おじゃまキューブは、直接消すことはできませんが、周囲の通常のキューブを消し、おじゃまキューブ同士を接触させることで消去することが可能です。このモードでも、ノーマルモードと同様に、一定数のキューブを落下させるとスターアイテムが出現します。

アドベンチャーモードのアイテム

アドベンチャーモードで入手できるアイテムは、「ミントのせいなるこころ」を除き、それぞれのアイテムを入手したOCEANで救出した海の仲間にちなんだ名前と効果を持っています。

ミントのせいなるこころ
コンティニュー時のルーレットで当選すると手に入ります。使用するとフィールド上の全てのキューブを消去する強力な効果を持ちます。
たいのかがやくうろこ
南太平洋クリア時に入手できます。使用すると、フィールドの下から2段目までのキューブを残して、それより上の全てのキューブを消し去ります。
まんぼうのうたたね
南大西洋クリア時に入手できます。使用すると、現在のステージのキューブ配置が初期状態に戻り、かつ全てのキューブにヒビが入った状態（1ダメージ状態）でステージをリトライできます。
たこのげきりん
北極海クリア時に入手できます。使用すると、フィールド上の全てのキューブ（黒いブロックを除く）に1ダメージを与えます。
かにのたくらみ
インド洋クリア時に入手できます。使用すると、現在プレイ中のステージから2ステージ先へワープしてスキップすることができます（例：ステージ1で使用するとステージ3から再開）。
うみがめのなみだ
北大西洋クリア時に入手できます。使用すると、フィールド上にある1色のキューブを全て消去します。これはノーマルモードや対戦モードで出現するスターアイテムとほぼ同じ効果ですが、こちらは任意のタイミングで使用できる点が異なります。
ペンギンのまごころ
南極海クリア時に入手できます。使用すると、しばらくの間、落下してくる全てのキューブがあらかじめヒビが入った状態になります。
あんこうのはつこい
北太平洋クリア時に入手できます。使用すると、しばらくの間、落下してくるブロックが通常3つのキューブで構成されるL字型ではなく、1つのキューブだけになります。

移植版

『エメラルディア』は、アーケード版のリリース後、様々なプラットフォームに移植されています。

携帯アプリ版
2006年に日本の主要な携帯電話キャリア（i-mode, EZweb, Yahoo!ケータイ）向けに配信されました。開発はウインドリームが担当しています。
Wii版
2009年3月26日に、任天堂のゲーム機Wii向けダウンロードサービス「バーチャルコンソール」のラインナップの一つとして配信されました。これは「バーチャルコンソールアーケード」カテゴリの第1弾タイトルとしてリリースされたものです。
PlayStation 4|PlayStation_4 / Nintendo Switch版
2024年4月18日には、株式会社ハムスターが展開するアーケードゲーム移植プロジェクト「アーケードアーカイブス」のタイトルとして、PlayStation 4|PlayStation_4版とNintendo Switch版が配信されました。このバージョンには、日本版だけでなく海外版も収録されており、さらに「こだわり設定」によってゲーム内のスコア集計上限を変更できる機能（最大1000万の位まで集計可能）が追加されています。

もう一度検索