エメラルド・フロウジョン

エメラルド・フロウジョン

エメラルド・フロウジョンは、プロレス界における象徴的な技であり、日本のレスラー三沢光晴のオリジナル技です。この技名は、三沢のイメージカラーであるエメラルドグリーンと、「滝」や「流れ」を意味する「フロウジョン」に由来しています。彼の代名詞とも言えるこのフィニッシュ・ホールドは、観客に強烈な印象を与えます。

技の概説

この技はパイルドライバーの派生型であり、特に難易度が高く、熟練したレスラーにしか使いこなせない技術を要します。施行する際、レスラーはまず両腕で相手の胴体をしっかりと抱え込みます。次に、相手を上下逆さまにし、片肩の上にうつ伏せに位置づけるのが基本的な動作です。相手の体重を支えながら自分の片手で相手の後頭部、もう片方の手で相手の腰を支え、横に倒れこむことで、相手をマットに叩きつける形となります。

この技は相手の受け身の技術に応じて、角度を調整することができるため、多様な演出が可能です。初めてこの技を披露したのは、1998年1月26日に行われた全日本プロレスの試合で、当時の形は現在のものとは若干異なっていました。三沢はツームストーン・パイルドライバーに似たスタイルでこの技を展開しましたが、時間をかけずによりダイナミックに仕掛けられるよう改良が施されました。

主な使用者

エメラルド・フロウジョンは多くのレスラーに継承されてきました。三沢光晴をはじめ、潮崎豪、新泉浩司、武藤敬司、フレッド・ロッサー、さらに丸藤正道や河上隆一もこの技を取り入れています。特に、丸藤正道はこの技を変形させたタイガーフロウジョンやポールシフト式エメラルド・フロウジョンとして使用し、彼のスタイルに組み込んでいます。河上隆一は「スカーレット・フロウジョン」として、サモア・ジョーは「アイランド・ドライバー」として、各々の技として使っています。

バリエーション

エメラルド・フロウジョンにはいくつかのバリエーションが存在し、用途や状況に応じて技の形を変えることができます。例えば、雪崩式ではコーナーから仕掛けることができ、パスキャッチ式はタッグマッチで体勢を利用します。また、引き抜き式や断崖式などもあり、これらの技はそれぞれ異なる場面で活用されます。

類似技

この技に影響を受けた類似技も数多く存在します。HサンダーやCCD、Dガイストなどは、いずれもエメラルド・フロウジョンを意識して考案されたものです。さらには、タイガー・フロウジョンやポールシフト式エメラルド・フロウジョンも、この技から派生した技として知られています。これらの技はその特性を活かして、レスラーの独自のスタイルを表現する手段ともなっています。

まとめ

エメラルド・フロウジョンは、三沢光晴が考案したプロレス技の中でも特に有名で、後のレスラーたちにも大きな影響を与え続けています。その独特の施行方法と演出は、プロレスファンにとって忘れがたい印象を残すものであり、彼の名と共に語られるべき技となっています。プロレスの技の中でも、このように多様性を持ち、後世に受け継がれるエメラルド・フロウジョンの存在は、レスリングの魅力の一つであると言えるでしょう。

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