エリク14世 (スウェーデン王)

エリク14世の生涯と業績

エリク14世（Erik XIV）は、1533年12月13日にストックホルムで誕生し、スウェーデン・ヴァーサ王朝の第2代国王として1560年から1568年にかけて在位しました。彼はグスタフ1世と王妃カタリーナの息子であり、フィンランドとスウェーデンの統治者でしたが、フィンランドの権威は弟のヨハン（後のヨハン3世）が主に引き継ぎました。

王の即位と早期の政策

1560年、エリク14世はイングランドのエリザベス1世への求婚を計画していましたが、父の死去という訃報が届き、即座にストックホルムへと戻りました。その後、彼は父の葬儀を経て議会を招集し、王族公爵の権力を制限する「アルボガ条項」を採択しました。さらに、彼はウプサラで華やかな戴冠式を行い、この機会にスウェーデン初の男爵と伯爵を創設しました。

エリク14世は貴族層を警戒し、低い地位出身のヨラン・ペッションに重きを置きました。しかし、この選択は彼の支配において問題を生むこととなりました。ヨランは貴族に対して厳しい弾圧を実施し、その真意については意見が分かれています。エリク14世はバルト帝国の建設を目指し、1561年にエストニアを占領しましたが、北方七年戦争に突入することで自身の評価は低下していきました。

王族間の対立とエリクの専制

1562年、エリク14世の弟ヨハンはポーランド王の娘カタジナ・ヤギェロンカと結婚しましたが、これは王の権限を無視する行為だったため、エリクは弟に軍を派遣し、彼らを捕らえました。同時に、彼はストゥーレ家を弾圧し、大名の一人を冤罪で命を奪ったり、また次の年にはその後、ニルスを新たな外交使節として利用するなど、混乱した政治状況を引き起こしました。

幻の王座とエリクの転落

次第に、エリク14世は精神的な病に悩まされ、政権の実権を他者に委譲せざるを得なくなりました。1568年、彼は一時的に正気を取り戻し、カリン・モンスドッテルとの結婚を果たし、二人の息子を王位継承者として認めることで弟との和解を試みました。しかし、弟とその支持者たちは廃位を計画し、最終的にエリク14世は9月に退位を余儀なくされました。

エリクの生涯は典型的な王族の権力争いによるものでしたが、彼が投獄後も反対派の支持を得て再び王位を望もうとしたことは注目に値します。1575年、エリクは死刑判決を受けましたが、その後もなお生き続け、1577年2月24日にオルビュフス城で息を引き取りました。彼の死については毒殺説も囁かれています。

家族と子女

エリク14世は、結婚前にアグダ・ペルスドッテルとの間に3人の娘をもうけました。その後、1568年にカリン・モンスドッテルと結婚し、4人の子供を授かりました。彼の子女はスウェーデンの王統に大きな影響を与える存在となりました。

主要な子女

• - ヴィルギニア（1559年 - 1633年）
• - コンスタンティア（1560年 - 1649年）
• - ルクレティア（1564年 - 1574年）
• - カリン・ヤコプスドッテルとの子供（1565年生まれ）
• - シグリッド（1566年 - 1633年）
• - グスタフ（1568年 - 1607年）
• - ヘンリク（1570年 - 1574年）
• - アーノルド（1572年 - 1573年）

エリク14世の歴史は、ひとえに権力、戦争、政治的陰謀、そして悲劇的な運命を結びつけたものであり、彼の生涯はスウェーデンの歴史において重要な位置を占めています。

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