カタジナ・ヤギェロンカ

カタジナ・ヤギェロンカの生涯と影響

カタジナ・ヤギェロンカ（Katarzyna Jagiellonka）は1526年11月1日に生まれ、1583年9月16日に亡くなりました。彼女はポーランド王ジグムント1世の娘であり、スウェーデン王ヨハン3世の最初の妃です。カタジナはその政治的な影響力と宗教的な情熱から特に知られています。

結婚と初期の困難

1562年10月、カタジナはフィンランド公ヨハンと結婚しました。この結婚は兄エリク14世の許可を得ずに行われたため、兄弟の関係は緊迫しました。新婚生活はフィンランドのトゥルク城で始まりましたが、ヨハンの行動がエリクの逆鱗に触れ、1563年にはエリクによって城が包囲され、カタジナとヨハンは捕えられてしまいます。その後、二人はスウェーデンのグリプスホルム城に幽閉されることになります。

特にロシアのツァーリ・イヴァン4世がカタジナに目をつけ、彼女をロシアに連れて行くことを画策したことが、カタジナの家族に不安をもたらしました。カタジナは幽閉中に3人の子供—長女イザベラ、シギスムンド、アンナ—を出産しました。

解放と戴冠

1568年、カタジナとヨハンはついに解放され、翌1569年にはヨハンがエリクを廃位させてスウェーデン王として即位します。このときカタジナも王妃に戴冠し、政治的な影響力を持つようになりました。彼女はカトリックの信仰を重視し、夫に対抗宗教改革の支持を促すなど、その信念を王国の政策に反映させました。この時期、王妃としての影響力は強まり、カトリック教会の要素を取り入れた新しい教会規則「赤の書」を制定することに関与しました。

しかし、これに対してプロテスタント側からの反発も起こり、王妃が王室にカトリックの神職を持ち込むことでさらなる対立を生むことになりました。1570年代には、カタジナはポーランドのホジウシュ枢機卿と共同しながら、スウェーデンのカトリック化に向けた活動を展開しました。

後の業績と影響

1576年には息子シギスムンドをポーランドに送ってイエズス会の教育を受けさせ、教育の重要性を強調しました。また、彼女は宗教改革以降に閉鎖されたフランチェスコ会修道院を再開し、カトリック神学校の設立を許可しました。このように彼女はスウェーデンのカトリック信仰復興に貢献しましたが、その信仰がスウェーデン王国との対立を招くことにも繋がりました。

カタジナはまた、国内最後の修道女たちが住むヴァドステーナ修道院や、後のドロットニングホルム宮殿の建設を支援しました。彼女の影響力は、シギスムンドをポーランド・リトアニア共和国の国王にまで押し上げましたが、彼のカトリック信仰がスウェーデンとの対立を引き起こし、最終的に1599年の廃位に繋がりました。

晩年

カタジナの晩年は痛風に苦しむ日々であり、1583年に亡くなりました。彼女はウプサラ大聖堂に埋葬され、その生涯は単なる王妃に留まらず、宗教や政治の歴史に深い影響を与えた女性として記憶されています。彼女の取り組みは現在においても多くの研究と議論を呼ぶテーマとなっています。

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