エリック・エリクソン (指揮者)

エリック・グスタフ・エリクソン（Eric Gustaf Ericson、1918年10月26日 - 2013年2月16日）は、スウェーデンの合唱指揮者であり、音楽教育者として、その卓越した才能と情熱で世界中の合唱音楽界に多大な影響を与えました。彼の生涯は、合唱音楽の発展に捧げられたと言っても過言ではありません。

エリクソンは、1943年にストックホルム音楽大学を卒業後、スイスのバーゼル・スコラ・カントルムをはじめ、ドイツ、イギリス、アメリカ合衆国へと留学し、音楽の研鑽を積みました。これらの留学経験は、彼の音楽観を形成する上で重要な役割を果たしました。帰国後、彼は1951年から1991年までの長きにわたり、ウプサラ大学のオルフェイ・ドレンガル合唱団の主任指揮者を務めました。また、同じく1951年には、自らの主導でスウェーデン放送合唱団を設立し、1982年まで指揮者を務めました。

教育者としてのエリクソンもまた、傑出した存在でした。1951年からストックホルム音楽大学で教鞭をとり、1968年には同校の合唱指揮科教授に任命されました。彼の指導を受けた多くの音楽家たちが、世界中で活躍しています。1983年には、ウプサラ大学人文学部から名誉博士号を授与され、その学術的な功績も高く評価されました。

エリクソンは、数多くの合唱団やアンサンブルの客演指揮も務めました。1945年に設立したストックホルム室内合唱団（後にエリック・エリクソン室内合唱団に改名）をはじめ、ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル、オランダ室内合唱団、アクセントゥスなど、様々な団体と共演しました。バッハの受難曲、プーランク、フィンランドの作品など、幅広いレパートリーを指揮し、その卓越した音楽性と解釈で聴衆を魅了しました。

エリクソンの業績は、数々の賞によっても称えられました。1995年には北欧評議会音楽賞、1997年にはポーラー音楽賞を受賞しています。特にポーラー音楽賞は、「スウェーデンおよび国際合唱音楽の指揮者、教師、芸術的創始者、および啓発者としての先駆的な業績」を称えて贈られました。1991年にはレオニー・ソニング音楽賞も受賞しており、その国際的な評価の高さが窺えます。

エリクソンの音楽に対する深い愛情と情熱、そして卓越した指導力は、多くの音楽家や合唱愛好家に影響を与え続けました。彼の残した功績は、今日の合唱音楽界においても、不朽のものとして輝きを放っています。

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