バーゼル・スコラ・カントルム

バーゼル・スコラ・カントルム（Schola Cantorum Basiliensis）は、スイスのバーゼルに本部を置く音楽大学です。1933年に創立され、古楽の演奏法に特化した教育機関として、世界的に知られています。大学の略称はSCB。創設者は、製薬会社エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のオーナーを妻に持つ作曲家で指揮者のパウル・ザッハーです。現在はバーゼル音楽院に属し、古楽奏法と古楽研究における総本山として、その名を知られています。

特徴

バーゼル・スコラ・カントルムは、中世、ルネサンス、バロックといった時代の音楽を専門的に研究し、演奏するための高度な教育を提供しています。単に古い時代の音楽を再現するだけでなく、当時の演奏習慣や様式、楽器の構造などを深く理解し、その知識に基づいて音楽を演奏することを重視しています。そのため、古楽の演奏家や研究者を目指す人々にとって、非常に魅力的な教育機関となっています。

教員

バーゼル・スコラ・カントルムには、世界的に著名な古楽の専門家が教員として在籍しています。リュート奏者のアントニー・ルーリー、ホプキンソン・スミス、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のジョルディ・サバール、アウグスト・ヴェンツィンガー、パオロ・パンドルフォ、リコーダー奏者のハンス＝マルティン・リンデ、指揮者のルネ・ヤーコプスなど、各分野の第一人者たちが、学生たちの指導にあたっています。彼らの指導のもと、学生たちは古楽の演奏技術や知識を深く学び、将来の音楽家としての基礎を築いていきます。

卒業生

これまでに、数多くの著名な音楽家がバーゼル・スコラ・カントルムを卒業しています。グスタフ・レオンハルト（チェンバロ・オルガン奏者）、アンドレア・マルコン（指揮者、チェンバロ奏者）、ロレンツォ・ギエルミ（チェンバロ・オルガン奏者）、シュテファン・ゴットフリート（指揮者、チェンバロ奏者、ピアニスト）などがその代表例です。彼らは、それぞれの分野で国際的に活躍し、古楽の普及と発展に大きく貢献しています。

古楽研究の拠点として

バーゼル・スコラ・カントルムは、教育機関としての役割だけでなく、古楽研究の拠点としての役割も担っています。大学には、豊富な古楽に関する資料や楽器が所蔵されており、研究者たちはこれらの資料を活用しながら、古楽に関する様々な研究を行っています。また、大学では定期的に古楽に関するシンポジウムやコンサートが開催されており、世界中の古楽ファンや研究者が集まる交流の場となっています。

外部リンク

公式ページ

もう一度検索