エリック・ディッカーソン

エリック・ディッカーソンのプロフィールとキャリア

エリック・ディッカーソン（Eric Dickerson）は1960年9月2日にテキサス州シーリーで生まれたアメリカンフットボール選手であり、ポジションはランニングバックです。彼はNFLのシーズンラッシング記録である2,105ヤードを保持しており、そのキャリアを通じて数々の栄光を掴んだ名選手です。

プロ入り前の経歴

ディッカーソンは家族からの影響で、テキサス農工大学、オクラホマ大学、南カリフォルニア大学、南メソジスト大学の中から南メソジスト大学を選びました。特に彼の祖母が同大学のコーチであるロン・メイヤーを好んでいたことが進学の決め手になったと言われています。大学在学中、彼はクレイグ・ジェームズとともに「ポニー・エクスプレス」と呼ばれる攻撃陣を形成し、4年間で4,450ヤードを走り、48回のタッチダウンを記録しました。その能力は多くのスカウトの目に止まり、1982年にはハイズマン賞の投票で3位に輝くなど、将来が期待されていました。

ロサンゼルス・ラムズでの輝かしいスタート

ディッカーソンは1983年のNFLドラフトでロサンゼルス・ラムズに1巡目全体2位で指名され、プロ入りを果たしました。彼は1年目から圧倒的な成績を残し、390回のランで1,808ヤード、18タッチダウンを達成しました。これらの記録はすべてNFLの新人記録であり、プロボウルやオールプロにも選出されるなど、デビューから注目の存在となりました。

特に1984年のシーズンでは、O・J・シンプソンが保持していたシーズンラッシング記録を破り、2,105ヤードを走破。この年はラン平均5.6ヤードをマークし、チームをプレーオフに導きました。

インディアナポリス・コルツへの移籍

契約問題により1987年にラムズからインディアナポリス・コルツに移籍したディッカーソンは、移籍初年度で1,288ヤードを走りました。1988年には1,659ヤードを走り、コルツの選手として初のリーディングラッシャーに輝きました。彼は1990年にはNFL史上最速で通算10,000ヤードを達成し、７シーズン連続で1,000ヤードラッシャーとなる記録も樹立しました。

ただし、以降の数シーズンは怪我や契約トラブルに悩まされ、以前ほどの活躍は見られなくなりました。29歳のときにはリーグ最高給のランニングバックとなりましたが、契約問題は続き、チームとの関係は悪化していきました。

ロサンゼルス・レイダースでの新たな挑戦

1992年にはロサンゼルス・レイダースに移籍し、その後も着実な成績を残しました。シアトル・シーホークス戦では通算ラン獲得ヤードが12,749ヤードとなり、NFL歴代2位の記録を達成。その後もプロボウルやオールプロに選ばれるなど、名声は揺るがぬものでした。

1994年にはアトランタ・ファルコンズに移籍しますが、その後のシーズンで他チームへのトレードが続きました。最終的に彼はNFLの厳しい物理チェックをクリアできず、現役を引退しました。それでも11シーズンで13,259ヤードを走り、90タッチダウンを挙げたことは変わらず輝かしいものでした。

引退後の生活とレガシー

ディッカーソンは1999年にプロフットボール殿堂入りを果たし、その後もNFLへの貢献を続けてきました。彼はテレビの解説者としても活動し、またスポーツメモラビアの販売会社を経営するなどして、現役引退後も多様なキャリアを築いています。

近年、彼はNFLに対して脳震盪問題に関する訴訟も行い、選手の健康の重要性を訴え続けています。エリック・ディッカーソンという名前は、今なおアメリカンフットボールの歴史に名を刻んだ伝説の選手として語られています。

もう一度検索