エルガー協会

エルガー協会（The Elgar Society）は、20世紀初頭のイギリスを代表する作曲家、エドワード・エルガーの芸術遺産を広く伝え、その価値を高めることを目的とした慈善組織です。1951年の設立以来、特に公の場で演奏される機会が少ないエルガーの作品に焦点を当て、その普及に尽力しています。1988年1月22日には、正式に慈善団体としての登録を完了しました。

主な活動

協会の活動は多岐にわたります。若い世代にエルガーとその音楽を紹介し、エルガー研究や関連する教育活動への助成金提供を通じて、会員や一般の人々が豊かな音楽体験を得られるよう支援しています。また、エルガー生誕地博物館へ毎年財政支援を行い、博物館アクセスを容易にし、研究環境を整備しています。

出版活動

協会の重要な活動の一つに、出版物を通じた情報提供があります。エルガー研究の成果をまとめた学術雑誌は3年に一度発行され、会員特典として配布されるほか、教育機関や一般向けにも販売されています。会員向けには、年に3回、協会の活動報告を含む会報が送付されます。

組織・支部

協会は評議会によって運営され、会長職にはこれまで著名な音楽家が就き、現在はジュリアン・ロイド・ウェバーが務めています。歴代会長には以下のような人物がいます。

• - エイドリアン・ボールト（1951年）
• - ユーディ・メニューイン（1983年）
• - リチャード・ヒコックス（1999年）

地域活動は支部によって支えられ、イギリス国内には以下の7つの支部があります。

• - グレート・ウェスタン
• - ロンドン
• - ノース・ウェスト
• - スコットランド
• - サザン
• - テムズ・ヴァレー
• - ウェスト・ミッドランド

また、国外にカナダのバンクーバー支部があります。支部設立には評議会承認と、継続可能な会員数の証明が必要です。各支部は評議会へ活動報告と年次会計報告を行います。

エルガー・メダル

協会は、エルガー音楽への貢献を顕彰するエルガー・メダルを授与しています。2011年以前は、国外普及に貢献した国外の学者や音楽家が対象で、指揮者のサカリ・オラモ（2008年）、ピアニストのウラディーミル・アシュケナージ（2010年）などが受賞しました。2011年2月以降は、国内貢献者も対象となり、ジャーナリスト、作家、音楽評論家のマイケル・ケネディなどが受賞しています。このメダルは、エルガーの音楽遺産継承における世界的な功績を称える賞です。

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