エルキン・アルプテキン

エルキン・アルプテキン

ウイグル人の政治活動家であるエルキン・アルプテキン氏は、国際的な舞台でウイグル民族の権利擁護を訴え、多くの民族主義組織の設立や活動を支援してきた中心人物です。代表なき国家民族機構（UNPO）や世界ウイグル会議といった著名な組織の創設にも深く関わりました。

前半生

1939年7月4日、彼は現在の中国新疆ウイグル自治区にあたるカシュガルに生を受けました。父エイサ・ユスプ・アルプテキン氏は、1930年代に一時的に樹立された東トルキスタン共和国で書記長を務めた政治家でした。1949年、中国共産党による新疆への進攻と中華人民共和国の成立を機に、一家は故郷を離れ、インド領ジャンムー・カシミール州のシュリーナガルへと亡命しました。シュリーナガルでカトリック系の学校に通い教育を受けた後、トルコのイスタンブールにあるジャーナリズム研究所で専門的な学びを深めます。学業を終えた後、主にドイツを活動の拠点と定めました。

政治活動

アルプテキン氏の政治活動は、1971年にミュンヘンのラジオ・フリー・ヨーロッパ・ラジオ・リバティーに勤務したことから本格化します。父の縁を通じてこの職を得た彼は、1979年にウイグル語放送が聴取者不足により中断されるまで、「上級政策アドバイザー」としてウイグル支局の責任者を務めました。ラジオ局での勤務中、彼はウイグル人向けのメディアが不足している現状に強い不満を抱いており、「紛争が起きた時にしか国際機関が反応しない」という当時の状況を憂えていました。

1970年代から1980年代にかけて、中央情報局（CIA）がウイグル人民族主義者との接触を試みる中で、アルプテキン氏はその組織における指導的立場やラジオ局での経歴から注目を集めます。彼はCIAに対して助言を行うようになり、1995年にラジオ局を退職した後は、チェコのプラハに居を移しました。

彼はウイグル人民族主義運動を中心に、分離主義を掲げる様々な組織の設立や運営に関与しました。1985年には東トルキスタン・チベット・内モンゴル連帯委員会に加わり、1998年にはニューヨークでの初会合に参加しています。また、ヨーロッパにおいてはヨーロッパ東トルキスタン連合を設立するなど、各地域での組織化を進めました。

国際的な舞台での活動としては、1991年にオランダのハーグを本部とする代表なき国家民族機構（UNPO）の設立に尽力したことが挙げられます。さらに2004年4月には、ミュンヘンで開催された会合で世界ウイグル会議の議長に選出され、その活動の中心を担いました。1971年以降、彼はウイグル人民族主義者だけでなく、他の地域の分離主義者や、特に西側諸国の先住民族をはじめとする少数民族を代表する立場から、国際社会や各国政府へのロビー活動を精力的に行っています。

彼はアジア、ヨーロッパ、アメリカ合衆国など、世界各地にある複数の国際組織で評議員を務めており、過去35年間にわたって6000を超える組織に関与してきました。その広範な活動は西側諸国のマスメディアからも注目を集めています。エルキン・アルプテキン氏は、自身の民族の権利回復と国際的な少数民族支援のために、多岐にわたる活動を展開し続けている人物です。

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