エルコレ3世・デステ

エルコレ3世・デステについて

エルコレ3世・デステ（1727年11月22日 - 1803年10月14日）は、モデナ＝レッジョ公国の君主であり、彼の治世は文化的繁栄と数々のインフラ整備によって特徴付けられています。彼はフランチェスコ3世・デステとシャルロット＝アグラエ・ドルレアンの子としてモデナに生まれました。

公国の補修と文化の振興

エルコレ3世は、政権を継承するにあたり、父が手掛けた公国の改修事業を引き継ぎました。彼はモデナ市内にルビエーラとサンアンブロージオの2つの橋を新設し、隣国へのアクセスを良好にするための道路建設にも尽力しました。このような整備は市民生活の向上だけでなく、商業や文化の活性化にも寄与しました。

さらに、彼はアテジーネ美術館を設立し、芸術文化の発展を大いに促進しました。エルコレ3世の治世下では、多くの著名な芸術家達が彼の後援を受け、モデナは文化の中心地へと変貌しました。彼の周囲には、ラザロ・スパランツァーニやジャンバッティスタ・ヴェンチューリ、ジローラモ・ティラボスチ、ロドヴィーコ・リッチといった名士たちが集まりました。

結婚と家族

1741年、彼はマッサ＝カッラーラ公国の相続人であるマリーア・テレーザ・チーボ＝マラスピーナと結婚し、彼の治世においてマッサ・カッラーラがエステ家の所有となる重要な出来事がありました。この結婚により、エルコレ3世は公国の影響力をさらに拡大しました。しかし、夫婦の間には2人の子供しか生まれず、長男は早逝し、唯一生き残った娘のマリーア・ベアトリーチェはオーストリア大公フェルディナントと婚姻しました。

フランスによる侵攻と晩年

1796年、フランス軍の侵攻が始まると、エルコレ3世はヴェネツィア共和国に亡命を余儀なくされました。亡命中には彼の財産も共に移されましたが、後にフランス軍に捕えられ、彼の家からは大金が奪われるという悲劇を経験しました。この一連の出来事は、エルコレ3世の人生に大きな影を落としました。

彼はその後トレヴィーゾに移り、1803年に死去しました。カンポ・フォルミオ条約やリュネヴィル条約によって公国の状況が一変し、彼は再び公位に復帰することはありませんでした。

まとめ

エルコレ3世・デステは、文化とインフラの整備に多大な貢献をした公爵として、また波乱に満ちた晩年を送った人物として歴史に名を刻んでいます。彼の業績は地元の人々に今なお覚えられ、文芸・芸術の発展に寄与した貴族の一人として評価されています。

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