エルナンド (競走馬)

エルナンド：フランスダービー王者とその血統、競走生活、種牡馬としての成功

エルナンド (Hernando) は、フランスで生産された競走馬にして、後に種牡馬としても名を馳せたサラブレッドです。彼の最大の功績は、1993年のフランスダービー、ジョッケクルブ賞制覇にあります。この勝利は、エルナンドの競走馬としての才能を鮮やかに証明するものでした。その後も、ヨーロッパを中心に数々の活躍馬を輩出し、種牡馬としても成功をおさめた彼の生涯を振り返ってみましょう。

華麗なる競走馬時代

エルナンドは、20世紀を代表する競走馬生産者にして馬主であったスタブロス・ニアルコスの所有馬でした。これは、彼の潜在能力の高さを示す一つの指標と言えるでしょう。また、名調教師フランソワ・ブータンが管理した最後の活躍馬という点でも、エルナンドの特別な地位が伺えます。

1993年3月、エルナンドは競走馬としてデビュー。2戦目で初勝利を挙げると、その後3連勝を飾ります。そして、ジョッケクルブ賞の前哨戦であるリュパン賞を制覇。これは、1歳年上の半兄ヨハンクァッツ（リュパン賞を含む重賞2勝馬）に続く快挙でした。

続くジョッケクルブ賞では、1番人気に応え、2着馬に2馬身半差をつける圧勝劇を演じました。勢いに乗ったエルナンドは、アイルランドダービーにも挑戦。エプソムダービー優勝馬コマンダーインチーフに僅差で敗れ2着と健闘しました。その後、ニエル賞（G2）を制し、凱旋門賞への挑戦権を獲得。1番人気に推されたものの、結果は16着と大敗を喫しました。

古馬になってからも、G1競走での優勝こそありませんでしたが、凱旋門賞で2着、ジャパンカップで3着と、世界的な中長距離戦線で活躍を続けました。

種牡馬としての成功

競走馬を引退したエルナンドは、イギリスのランウェイズスタッドで種牡馬となりました。初年度産駒には、なんとジョッケクルブ賞を制覇したホールディングコートがいました。これは、父子制覇という偉業達成を意味します。その後も、5カ国で6つのG1競走に勝利したスラマニなど、数多くの活躍馬を輩出しました。その活躍馬の足跡は、ヨーロッパにとどまらず、アメリカにも及んでいます。

2011年の種付けシーズンをもって種牡馬を引退し、ランウェイズスタッドで余生を過ごしました。2013年2月22日、23歳で心臓発作のため亡くなりました。

血統と産駒

エルナンドの父は、アイリッシュセントレジャー優勝馬ニニスキ。母はフランスG3カルバドス賞優勝馬。ニニスキもエルナンドも、長距離競走で優れた成績を残した馬でした。半妹のWells Whisperの孫には、香港カップ優勝馬のアキードモフィードがいます。エルナンド産駒の中でも特に活躍が目立ったのは、G1競走6勝を含む重賞7勝を挙げたスラマニ、ジョッケクルブ賞優勝馬のホールディングコートです。その他にも、Casual Conquest、Look Here、Gitano Hernando、Rainbow Peakなど、多くのG1競走優勝馬を輩出しました。

エルナンドは、競走馬としての輝かしい成績と、種牡馬としての大きな成功によって、競馬史にその名を刻んだ名馬と言えるでしょう。彼の血統は、現在も世界中の競馬界に影響を与え続けています。

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