エルネスト・レクオーナ

エルネスト・レクオーナ・カサドについて

エルネスト・レクオーナ・カサド（1896年8月6日 - 1963年11月29日）は、キューバ出身の著名な作曲家であり、ピアニストとしてもその名を馳せた音楽家です。彼は20世紀前半のキューバ音楽界において、その革新的な作品と演奏活動により、世界中で多くの支持を受けていました。それでは、彼の生涯と音楽的業績について詳しく見ていきましょう。

生い立ちとキャリア初期

レクオーナはハバナ近郊のグヮナバコアで生まれ、幼少期から音楽に親しみました。3歳の時から姉のエルネスティーナにピアノを習い、5歳で初めての公開演奏を行いました。11歳で作曲を始め、14歳にはハバナ国立音楽院に入学。1913年に17歳でピアノ科を卒業し、その際には金メダルを受賞しました。この最初期の段階で彼は著名な作曲家ホアキン・ニンに師事しました。

アメリカでの成功

1916年、レクオーナはニューヨークのエオリアン・ホールにてアメリカデビューを果たします。その後、彼はアメリカに移住し、1930年代には「レクオーナ・キューバン・ボーイズ」というバンドを率いて、国内外で活躍しました。バンドは中南米やヨーロッパでも演奏活動を行い、彼の名声を広げました。録音活動にも精力的で、数多くの音楽作品を世に送り出しました。

戻った故郷と晩年

1946年にはバンド内部の軋轢が原因で活動を停止し、キューバに帰国しました。しかし、「レクオーナ・キューバン・ボーイズ」は1970年代まで活動を続け、レクオーナとの交流も維持されました。1960年、政治的な理由から再度キューバを去り、タンパやフロリダなどを転々とし、カナリア諸島サンタ・クルス・デ・テネリフェで最後の時を迎えました。彼の遺体はニューヨーク州ホーソーンに埋葬されています。

音楽作品

レクオーナは600曲以上の作品を残し、その中にはクラシック音楽だけでなく、ショー、ミュージカル、映画音楽、さらには商業的な音楽も多く含まれています。有名なジンバル曲やポピュラー音楽へのアレンジも数多く、特に「シボネイ」や「そよ風と私」は広く知られています。また、1942年に発表した「オールウェイズ・イン・マイ・ハート」は、アカデミー賞にもノミネートされましたが、「ホワイト・クリスマス」に敗れました。

音楽的スタイル

レクオーナは主にロマン主義の作曲家として知られており、彼の音楽には19世紀末のフランスやスペイン国民楽派の影響が見られます。ワルツやマズルカなどの小品にも同様の影響がみられ、サルスエラ作品も手がけています。さらに、カリビアン・ビートやキューバの民族音楽を取り入れたピアノ組曲も多く、これらの作品ではアルベニスの影響も見受けられます。

再評価と影響

長い間、ポピュラー音楽の作曲家として知られていたレクオーナですが、近年では彼のサロン用のピアノ小品に再評価が進んでいます。特にスウェーデンのレコード会社BISは、彼の作品の録音とリリースを集中して行い、美しい旋律が再び光を浴びることとなりました。さらに、彼の音楽は日本の音楽ユニットALI PROJECTの楽曲にも影響を与えており、彼の作品は今も多くのアーティストに愛され続けています。

結論

エルネスト・レクオーナは、キューバ音楽の重要な作曲家として、その作品は時代を超えて多くの人々に影響を与えてきました。彼の才能は、クラシック音楽からポピュラー音楽に至るまで、多彩な作品に表れています。彼の音楽は、今後も多くの人々に親しまれ続けることでしょう。

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