エルヴィン・トイフェル

エルヴィン・トイフェルについて

エルヴィン・トイフェルは、1939年9月4日にバーデン＝ヴュルテンベルク州のロットヴァイルに生まれたドイツの政治家で、キリスト教民主同盟（CDU）に所属しています。彼は1991年から2005年までバーデン＝ヴュルテンベルク州の首相を務めました。また、1996年から1997年にかけては連邦参議院の議長としても活動しました。

来歴と政治経歴

トイフェルは地元のギムナジウムに入学するものの、学業を中断して中等教育修了資格を得ました。1961年には上級公務員教育を修了し、行政官国家試験に合格しました。その後、故郷にCDUの青年団「Junge Union」の支部を設立し、1964年には当時史上最年少の25歳でロットヴァイル市長に就任しました。

1972年にはバーデン＝ヴュルテンベルク州議会の議員になり、市長を退任。その後、同州のハンス・フィルビンガー州首相の内閣で内務政務次官及び環境保護政務次官を歴任し、1978年にはCDU州議会議員団の団長に就任しました。

1991年1月22日、ロタール・シュペート州首相の退任に伴い、トイフェルは新しい州首相として選ばれました。しかし、翌年の州議会選挙で党の議席を大幅に減少させた結果、ドイツ社会民主党（SPD）との大連立を結成することになりました。1996年の州議会選挙では議席を回復し、連立パートナーとして自由民主党（FDP）と手を組みました。この連立政権は2001年の選挙でも勝利を収めました。

トイフェルは在任中、地域のエネルギー産業や放送局の統合を推進し、バーデン＝ヴュルテンベルク州立銀行を設立しました。さらに、州都シュトゥットガルトに新しいメッセ（見本市会場）を建設し、行政権限の下位にある地方自治体への権限委譲を図りました。しかし、財政赤字の抑制には成功せず、批判を受けることもありました。

2004年10月、トイフェルは州首相及び党の代表から勇退することを発表しました。後継にはアンネッテ・シャーヴァン州文化相を希望していましたが、党内の投票でギュンター・エッティンガーが選ばれ、彼は2005年4月29日に職を譲ることになりました。2006年の州議会選挙には出馬せず、政界を引退します。

退任後と私生活

引退後の2005年には、アビトゥーアを取得していない状態にもかかわらず、ミュンヘン哲学高等専門学校への入学が許可されるという出来事がありました。この決定は大学入学資格の変更によるものでしたが、トイフェルはその後2007年の冬学期に同校を中退しています。

プライベートでは、夫人と共に四人の子供を育てています。在任中、トイフェルはシュトゥットガルトにある州首相公邸ではなく、自宅から電車で通う生活をしていました。また、彼の宗派はカトリックであり、ドイツ・カトリック中央評議会の議員としても活動しました。

彼は学生団体「A.V.チェルスキア・テュービンゲン」の名誉会員で、さらにカトリック学生友愛会の会員でもあります。また、テュービンゲン大学やマサチューセッツ大学アマースト校、ルーマニアのティミショアラ農業大学、オラデア大学から名誉博士号を授与されています。

興味深いことに、彼の姓「トイフェル」はドイツ語で「悪魔」を意味します。彼の辞任発表の日、ちょうど新しいローマ教皇にヨーゼフ・ラッツィンガーが選出されたこともあり、多くのメディアは「悪魔（トイフェル）が辞任」と報じました。これにより、彼の名前はその印象的な意味とともに広まりました。

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