エル・ハルコン

エル・ハルコンのレスリングキャリア

エル・ハルコン（本名：José Luis Melchor Ortiz）は、1947年7月23日、メキシコシティで生まれた国際的に名を馳せる覆面レスラーです。彼はヘビー級のエストレージャとして主にリンピオポジションで活躍しており、そのスタイルは多くのファンを魅了しました。息子のスペル・ハルコン・ジュニアもレスラーとして知られ、家族に受け継がれるレスリングの伝統を築いています。

来歴とプロとしての転機

エル・ハルコンはプロレスデビュー前、1968年のメキシコシティオリンピックにグレコローマン82キロ級の選手として出場。その後、プロレスラーに転向し、ベンガラやアルゴス、ダニー・オルティスなどのリングネームで活動しました。1973年に覆面レスラーとしての名義『エル・ハルコン』を選び、1975年9月にはナショナル・ヘビー級王座を獲得しました。これ以降、彼は1987年までに同王座を5回獲得し、名実共にメキシコのトップレスラーとしての地位を確立します。

しかし、ハルコンはミル・マスカラスとの激しい抗争によって知られており、1977年に行ったコントラ・マッチで敗北し、素顔を披露しました。その後はハルコン・オルティス名義で素顔のリンピオとして活動へと転向。この時期に、NWA世界ヘビー級王者のハーリー・レイスとも対戦しました。彼はその後も素顔で戦う時期を経て、1984年にスペル・ハルコンという新しいマスクマンのキャラクターに変わります。

海外での実績

日本には1978年に来日し、全日本プロレスの『第2次サマー・アクション・シリーズ』に参加。日本では覆面レスラーとして登場し、ミル・マスカラスとの抗争を再現しました。大阪府立体育館でのALLLヘビー級王座への挑戦は記憶に残りますが、結果は奪取には至りませんでした。しかし、その後もアメリカのNWA圏で成功を収め、多くのファンを魅了しました。

ロサンゼルス地域では1978年にチャボ・ゲレロと共にNWAアメリカス・タッグ王座を獲得し、さらに同地区のトップ・ヒールであるムーンドッグ・ロニー・メインとも抗争を繰り広げます。テキサスのダラス地区では、ザ・スポイラーとの抗争があり、こちらでもNWAアメリカン・ヘビー級王座を2度獲得するなど、多彩なキャリアを築きました。

得意技とタイトル

ハルコンは豊富な技に定評があり、中でもランニング・トペ・スイシーダやエルボー・ドロップといった技を持ち味としています。彼のキャリアは数々のタイトル獲得によって彩られており、EMLLのナショナル・ヘビー級王座は5回、NWAアメリカン・ヘビー級王座は2回、さらにはWWA世界ヘビー級王座も1回獲得しています。これにより、彼はレスリング界において重要な存在であることを証明しました。

引退後の活動

2009年には引退後にLucha Libre Expo 2009のイベントで再びリングに上がり、ミル・マスカラス＆ドス・カラスのマスカラス・ブラザーズと共にトリオを組んで出場。これにより、彼のレスリング人生は新たな形でクローズされました。エル・ハルコンの名は、今やメキシコのプロレス史に燦然と輝くレジェンドとして語り継がれています。彼の試合は現在も多くのファンによって愛され続け、次世代のレスラーにも影響を与えています。

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