ドス・カラス

ドス・カラス：二つの顔を持つ覆面戦士

ドス・カラス（Dos Caras）は、1951年2月21日生まれのメキシコを代表する覆面レスラーです。本名はホセ・ルイス・ロドリゲス・アレジャーノ。彼は「二つの顔」という意味を持つリングネームの通り、リング上では情熱的なファイトスタイルと、時折見せるユーモラスな一面でファンを魅了しました。愛称はペペ。

プロレスラーとしての歩み

ドス・カラスは、少年時代からボディビルに打ち込み、16歳でミスター・オリンピアの新人賞を獲得するなど、その才能を発揮しました。その後、兄であるミル・マスカラス、エル・シコデリコの影響を受け、プロレスラーへの道を歩み始めます。1968年からはゴリー・メディナの下でルチャリブレのトレーニングを積み、1970年1月にデビューを果たしました。

リングネームの由来は、人間の二面性を表現したいという思いから、「二つの顔」を意味するドス・カラスを選んだと言われています。デビュー当初は、怒り顔と笑顔をデザインしたマスクを着用していましたが、これはファンに不評でした。その後、兄マスカラスの助言により、日本のプロレス雑誌の読者から寄せられたデザインを参考に、双頭の鷲をデザインしたマスクを自身のトレードマークとしました。

1970年代前半には、兄マスカラスのアメリカでの主戦場であったテキサス州サンアントニオでも活躍。1975年からは、メキシコを拠点に活動し、1978年にはナショナル・ライトヘビー級王座を獲得しました。

日本での活躍

ドス・カラスは、1978年に全日本プロレスに初来日して以来、日本でも大きな人気を獲得しました。兄マスカラスとのタッグチーム「マスカラス・ブラザーズ」は、その華麗な空中技と息の合った連携で、日本のファンを魅了しました。1979年には『チャンピオン・カーニバル』に出場、同年の『世界最強タッグ決定リーグ戦』では、ジャイアント馬場＆ジャンボ鶴田、ザ・ファンクスといった強豪チームと激戦を繰り広げました。

1980年代に入ると、ドス・カラスはUWAメキシコ・ライトヘビー級選手権という架空のタイトルマッチで勝利を収め、PWF杯争奪タッグトーナメントでは兄弟タッグで2連覇を達成しました。1983年には、NWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座にも挑戦しています。全日本プロレスへの参戦は、1983年の『世界最強タッグ決定リーグ戦』が最後となりました。

1985年からは新日本プロレスにも参戦し、『IWGPタッグ・リーグ戦』に出場。アントニオ猪木、藤波辰巳といったトップレスラーとの対戦も実現しました。その後、メキシコに戻り、EMLLのリングや、インディー団体にも出場しました。1995年にはみちのくプロレスの『ふく面ワールドリーグ戦』で優勝しています。

1990年代以降は、インディー団体への参戦が中心となりましたが、2002年には全日本プロレスに約19年ぶりに来日。再びマスカラス・ブラザーズとして日本のファンを沸かせました。2019年には、ジャイアント馬場没後20年追善興行にも兄弟で出場し、健在ぶりをアピールしました。

試合スタイルと得意技

ドス・カラスのファイトスタイルは、ボディビルで鍛え上げた強靭な肉体と、ルチャリブレの華麗な空中技を融合させたものです。ヌカドーラ、プランチャ・スイシーダ、トペ・スイシーダなどのダイナミックな技を得意とし、観客を魅了しました。

獲得タイトル

LLI
UWA世界ヘビー級王座：3回
ナショナル・ライトヘビー級王座：1回
CMLL
CMLL世界トリオ王座：1回（w / エクトール・ガルサ&ラ・フィエラ）
ナショナル・トリオ王座：1回（w / ビジャノ3号&ビジャノ5号）
WWA
WWA世界ヘビー級王座：1回
ユニバーサル・プロレスリング
ユニバーサル最強トリオ決定リーグ戦優勝：1回（w / グラン浜田&ケンドー）
みちのくプロレス
ふく面ワールドリーグ戦優勝 : 1回

入場テーマ曲

ドス・カラスの入場テーマ曲は、ジグソーの「スカイ・ハイ」です。全日本プロレスでは映画主題歌としての「メインタイトル」バージョンが使用され、他団体ではアップテンポなシングルカット版も使われました。

参考文献

『Gスピリッツ Vol.16』辰巳出版、2010年。ISBN 4777808017。
『Gスピリッツ Vol.17』辰巳出版、2010年。ISBN 4777808297。

外部リンク

Online World of Wrestling
ドス・カラスのプロフィール - Cagematch.net, Wrestlingdata.com, Internet Wrestling Database

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