エレン・オチョア

エレン・ラウリ・オチョア：宇宙への道を切り拓いたヒスパニック系女性

エレン・ラウリ・オチョア（Ellen Lauri Ochoa）は、1958年5月10日生まれのアメリカ合衆国出身の宇宙飛行士、工学者です。彼女は、宇宙飛行士としての輝かしいキャリアに加え、ジョンソン宇宙センターの所長を務めるなど、多岐にわたる分野で顕著な功績を残しました。2018年5月に所長職を退任しています。

生い立ちと教育

オチョアはカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれましたが、自身はラ・メサを故郷と見なしています。1980年にサンディエゴ州立大学で物理学の学位を取得後、スタンフォード大学に進学し、1981年に電子工学の修士号、1985年には博士号を取得しました。彼女が高校生の時に両親が離婚し、母親と3人の兄弟、1人の姉妹と暮らしました。

研究キャリア

宇宙船技術のパイオニアとして、オチョアは繰り返しパターンの欠陥を光学的に検出するシステムを開発し、特許を取得しました。エイムズ研究センターでは、主に自動宇宙探査のための光学システム研究グループを率いました。スタンフォード大学での博士課程在籍中や、サンディア国立研究所、エイムズ研究センターの研究者時代には、情報処理の光学システムに関する研究に携わりました。

オチョアは、光学検査システム、光学認識システム、画像ノイズ除去システムの共同発明者でもあります。エイムズ研究センターの知的システム技術部門のチーフとしては、航空ミッションのための研究やシステム開発を行う35人の研究者を率いました。彼女は学会や学術誌に多数の論文を発表しており、研究者としても高い評価を得ています。

NASAでのキャリア

1990年1月にNASAに選ばれたオチョアは、1991年7月に宇宙飛行士となりました。1993年には、ディスカバリーに搭乗し、9日間のミッションで宇宙へ飛び立ちました。このミッションで、彼女は宇宙を訪れた初のヒスパニック系女性となりました。ミッションでは、地球のオゾン層の観測などを行いました。彼女の功績を称え、ワシントン州パスコの小学校には、彼女の名前が付けられています。

宇宙飛行士室では、ソフトウェアやハードウェアの責任者、ミッションコントロールセンターの通信担当係、宇宙飛行士室の副室長など、様々な役職を歴任しました。4度の宇宙飛行を経験し、宇宙での滞在時間は約1000時間に及びます。STS-56ではミッションスペシャリスト、STS-66ではペイロードコマンダー、STS-96とSTS-100ではミッションスペシャリスト兼フライトエンジニアを務めました。その後、ジョンソン宇宙センターの所長に就任し、組織の運営に携わりました。

エレン・オチョアは、科学、技術、工学、数学（STEM）分野における女性のロールモデルとして、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。

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