STS-56

STS-56：ディスカバリーによる大気と太陽の観測ミッション

STS-56は、スペースシャトル・ディスカバリーによって1993年4月8日にケネディ宇宙センターから打ち上げられたミッションです。このミッションの主な目的は、地球の大気と太陽放射の関係を調査し、オゾン層への影響を評価するための実験を行うことでした。

ミッション概要

打ち上げ日：1993年4月8日
宇宙船：スペースシャトル・ディスカバリー
主な目的：大気と太陽の観測実験

乗組員

船長：ケネス・D・キャメロン (2)
操縦手：ステファン・オズワルド (2)
ミッションスペシャリスト：マイケル・フォール (2)
ミッションスペシャリスト：ケネス・コックレル (1)
ミッションスペシャリスト：エレン・オチョア (1)

ミッションパラメータ

質量：着陸時: 93,683 kg、ペイロード: 7,026 kg
近点：291 km
遠点：299 km
軌道傾斜角：57.0°
軌道周期：90.4分

主要なペイロード

このミッションの主要なペイロードは、Atmospheric Laboratory for Applications and Science-2 (ATLAS-2)でした。ATLAS-2は、太陽エネルギー放射と地球の中間大気の相互作用、およびそれらがオゾン層に与える影響に関するデータを収集するために設計されました。スペースラブには6つの実験装置が搭載され、7つ目の装置は壁に取り付けられました。これらの装置を用いて、大気実験と太陽実験が行われました。

大気実験

Atmospheric Trace Molecule Spectroscopy (ATMOS)
Millimeter Wave Atmospheric Sounder (MAS)
Shuttle Solar Backscatter Ultraviolet/A (SSBUV/A)

太陽実験

Solar Spectrum Measurement (SOLSPEC)
Solar Ultraviolet Irradiance Monitor (SUSIM)
Active Cavity Radiometer (ACR)
Solar Constant (SOLCON)

ATLAS-2はNASAの地球観測計画の要素であり、搭載された7つの機器は、以前のSTS-45 (ATLAS-1) ミッションでも使用され、後のSTS-66ミッションでも再び使用されました。

その他の実験

SPARTAN-201の展開と回収: 太陽風の速度と加速度を測定し、太陽コロナを観測するために、Shuttle Point Autonomous Research Tool for Astronomy-201 (SPARTAN-201) が展開されました。収集されたデータは地球に帰還後、解析されました。
SAREX IIによる無線交信: Shuttle Amateur Radio Experiment II (SAREX II) を使用して、世界中の学校やアマチュア無線家との交信が行われました。また、ミール宇宙ステーションとの間で初のアマチュア無線交信も試みられました。
その他のペイロード: Colorado Space Grant ConsortiumのSolar Ultraviolet Experiment (SUVE) や、Commercial Materials Dispersion Apparatus Instrumentation Technology Associates Experiment (CMIX) など、様々な実験装置が搭載されました。

ミッドデッキのペイロード

ミッドデッキには、生理学的・解剖学的げっ歯類実験 (PARE)、宇宙組織喪失実験 (STL-1)、宇宙線影響・活性化モニター (CREAM) などが搭載されました。

Physiological and Anatomical Rodent Experiment (PARE)
Space Tissue Loss (STL-1)
Cosmic Ray Effects and Activation Monitor (CREAM)
Hand-held, Earth-oriented, Real-time, Cooperative, User-friendly, Location-targeting and Environmental System (HERCULES)
Radiation Monitoring Equipment III (RME III)
* Air Force Maui Optical Site (AMOS)

まとめ

STS-56ミッションは、大気と太陽の相互作用に関する貴重なデータをもたらし、宇宙環境における科学研究と技術実証の重要な一歩となりました。

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