エレーナ・ヴェルベ

エレーナ・ヴェルベは、旧ソビエト連邦マガダン州マガダン出身の元クロスカントリースキー選手です。彼女は1980年代後半から1990年代にかけて国際舞台で目覚ましい活躍を見せ、数々の記録を打ち立てました。

1987年2月28日、ラハティの5kmでクロスカントリースキー・ワールドカップにデビューし、8位入賞を果たしました。翌1988-1989シーズンから本格的に国際大会へ参戦すると、1988年12月14日には15kmでワールドカップ初勝利を挙げました。さらに、1989年ノルディックスキー世界選手権では、10kmフリー走法と30kmで金メダル、リレーで銀メダルを獲得し、一躍世界のトップアスリートとして注目を集めました。このシーズン、ワールドカップでは5勝を挙げ、総合優勝を果たしました。

翌1989-1990シーズンはラリサ・ラズチナに次いでワールドカップ総合2位となりましたが、1991年ノルディックスキー世界選手権では、10km、15km、リレーの3種目で金メダルを獲得し、30kmでは銀メダルを獲得するなど、再びその実力を世界に示しました。ワールドカップでは8勝を挙げ、自身2度目の総合優勝を達成しました。

1992年のアルベールビルオリンピックでは、自身初のオリンピック出場を果たし、リレーで金メダル、個人4種目すべてで銅メダルを獲得する活躍を見せました。このシーズンのワールドカップでも総合優勝を果たし、3度目の総合優勝を達成しました。また、1992年にはホルメンコーレン・メダルを受賞しています。

1993年ノルディックスキー世界選手権では、15kmとリレーで金メダルを獲得し、ワールドカップ総合では2位となりました。1994年のリレハンメルオリンピックでは、個人種目では6位入賞が最高でしたが、リレーで2大会連続の金メダルを獲得しました。このシーズンのワールドカップ総合は3位でした。

1995年ノルディックスキー世界選手権では、リレーと30kmで金メダル、15kmで銀メダルを獲得しました。1994-1995シーズンのワールドカップでは、通算4度目の総合優勝を果たしました。

1997年ノルディックスキー世界選手権では、最初の種目である15kmで金メダルを獲得しましたが、2種目目の5kmではリュボーフィ・エゴロワに敗れて2位となりました。しかし、その後のパシュートではステファーニア・ベルモンドとの接戦を制し、金メダルを獲得しました。さらに、5kmで1位となったエゴロワがドーピング検査で陽性となり金メダルを剥奪されたため、ヴェルベが繰り上がって金メダルを獲得しました。さらに、リレーと30kmでも金メダルを獲得し、史上初めて全5種目で優勝するという偉業を達成しました。また、世界選手権通算14個の金メダル獲得は歴代最多記録です。

ワールドカップでは通算40勝に到達し（シーズン終了時44勝）、5度目の総合優勝を達成しました。

1998年の長野オリンピックでは、リレーで3大会連続の金メダルを獲得し、このシーズン限りで現役を引退しました。

現役引退後は、2004年から2006年までロシアスキー連盟の副会長を務め、2006年トリノオリンピックではロシアクロスカントリースキーチームの監督を務めました。2010年6月にはロシアスキー連盟会長に選出され、現在に至ります。

クロスカントリースキー・ワールドカップ通算45勝は、2010-2011シーズンにマリット・ビョルゲンが更新するまで歴代最多記録でした。また、表彰台回数81回（2位20回、3位16回）は2011-2012シーズンにビョルゲンが更新するまで歴代最多記録でした。総合優勝5回は2023年現在も歴代最多記録として残っています。1988-1989シーズンから1996-1997シーズンまで、9シーズン連続で総合3位以内に入るという安定した強さも示しました。

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