エンジェル・フェイス

エンジェル・フェイス

エンジェル・フェイスは、ジン、カルヴァドス、アプリコット・ブランデーをベースにした、クラシックなカクテルです。その甘美な名前とは裏腹に、強いアルコール度数を持つ、魅惑的な一杯として知られています。

概要

エンジェル・フェイスは、古くから愛されているカクテルであり、1930年に出版された『サヴォイ・カクテルブック』（ハリー・クラドック著）にレシピが掲載されているのが、現存する最古の記録とされています。しかし、その発祥については諸説あり、明確な起源は不明です。

起源に関する説

戦勝記念説: ハリーズ・ニューヨーク・バーの創業者であるハリー・マッケルホーンが、ロンドン時代に第一次世界大戦の戦勝パレードを記念して創作したという説。
ギャング説: 1920年代にデトロイトで悪名を馳せたギャング、「エンジェル・フェイス」ことエイブ・カミンスキーに触発されて創作されたという説。ただし、創作者は特定されていません。
映画『カサブランカ』説: 映画に由来するという説もありますが、映画の公開年（1942年）よりも前にカクテルブックに掲載されているため、誤りであると考えられています。

特徴

エンジェル・フェイスは、アルコール度数が高いものの、口当たりが優しいため、女性にも好まれるカクテルとして知られています。しかし、その印象とは異なり、作家の江國香織は、エッセイ集の中で「一口啜っただけで殴られたかと思うくらい強い」と表現しています。また、日本においては、アプリコット・ブランデーの代わりにアプリコットリキュールを使用するレシピが一般的です。

レシピ (国際バーテンダー協会)

材料

ジン - 30ml
アプリコット・ブランデー - 30ml
カルヴァドス - 30ml

作り方

1. 全ての材料と氷をシェーカーに入れ、しっかりとシェイクします。
2. 冷やしたカクテルグラスに、シェイクしたカクテルを strain (濾す) して注ぎます。

味わい

エンジェル・フェイスは、ジンのドライな風味、アプリコット・ブランデーの甘美な香り、そしてカルヴァドスの芳醇なリンゴの香りが複雑に絡み合った、奥深い味わいが特徴です。口に含むと、まずアプリコットの甘さが広がり、その後からジンのキレとカルヴァドスの香りが追いかけてきます。アルコールの強さを感じさせない、滑らかな口当たりも魅力です。

その他

その美しい名前と裏腹な強さから、エンジェル・フェイスは「天使の顔をした悪魔」と表現されることもあります。カクテル言葉は「無邪気」

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