エンブレムロード

エンブレムロード：サウジカップ制覇のアメリカンホース

2018年4月20日生まれのエンブレムロードは、アメリカ合衆国で生まれ、サウジアラビアで調教された競走馬です。2022年のサウジカップ優勝という輝かしい実績を持つ馬として知られています。

輝かしいキャリアの始まり

エンブレムロードは、2020年4月、アメリカ合衆国フロリダ州にあるオカラ・ブリーダーズ・セール社のスプリングセールで8万ドルで落札されました。

競走馬としてのキャリアは2020年11月7日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われた1200mのデビュー戦から始まりました。デビュー戦では3着と結果を残せませんでしたが、続く1600mの未勝利戦では6馬身1/4差という圧勝劇で初勝利を挙げます。その後も勢いを増し、条件戦を連勝し、3連勝で2020/2021シーズンを終えました。サウジダービーへの出走を予定していましたが、残念ながら出走取消となってしまいました。

キングファイサルカップ制覇、そしてサウジカップへ

2021/2022シーズンは、8月の始動戦で2着となった後、条件戦で2連勝を飾ります。そして、2022年1月15日、サウジアラビアのローカルG1レースであるキングファイサルカップに挑みました。このレースでは前年の優勝馬グレートスコットを1馬身差で退け、見事勝利を収めました。

この勢いのまま、エンブレムロードは2月26日、世界最高賞金レースとして知られるサウジカップ（G1）に出走します。発馬で出遅れるアクシデントがありましたが、直線で鋭い末脚を繰り出し、6番手から一気に上がり、ミッドナイトバーボン、カントリーグラマーをかわして1/2馬身差で優勝。サウジカップ史上初となるサウジアラビア調教馬による優勝という快挙を達成しました。この勝利は、「地元馬」が「米国の有力馬」を相手に大金星を挙げたとして大きな話題を呼びました。関係者からは喜びの声があがりました。調教助手のヒシャム・アブドゥル・ワヘドは、「偉大な仕事を成し遂げました。ミシュリフやマンダルーンのような優秀な馬を下したのですから。神に感謝します」と述べ、ドバイワールドカップやブリーダーズカップへの挑戦についても前向きな姿勢を見せていました。

欧州挑戦とサウジカップ連覇への挑戦

2022/2023シーズンは、欧州に渡り、7月20日のヴィシー大賞（G3・芝2000m）で始動しましたが、6頭立ての5着に終わりました。その後、サウジアラビアに戻り、現地のダート1600mの条件戦で圧勝。再びサウジカップに挑戦しますが、パンサラッサの逃げを捉えきれず6着に終わります。続くドバイワールドカップでは、直線で追い込みを見せますが、ウシュバテソーロを捉えられず、アルジルスと僅差の3着という結果でした。

血統背景

エンブレムロードの母ヴェンチュリニは2戦未勝利でしたが、2代母ヴェンチュラはジャストアゲームステークス（G1）、BCフィリー＆メアスプリント（L）、サンタモニカハンデキャップ（G1）、ウッドバインマイル（G1）、メートリアークステークス（G1）など多くのG1レースに優勝した実績を持つ名牝です。

エンブレムロードは、その短くも華々しい競走生活を通じて、高い能力と潜在能力を証明した競走馬と言えるでしょう。その活躍は、関係者のみならず、多くの競馬ファンに感動を与え、長く記憶されるものとなりました。今後の動向にも注目が集まります。

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