ミシュリフ

ミシュリフ：輝かしい競走馬人生

ミシュリフは、アイルランドで生まれ、イギリスで調教されたサラブレッドです。その華麗なる競走生活は、数々の栄光と記録、そして幾多のドラマを刻みました。

血統と生い立ち

ミシュリフは、ファイサル王子の自家生産馬です。その血統は一流。父はフランスの2000ギニーとフォレ賞を制したメイクビリーヴ、母はコントラディクト、さらにその母系にはフランスオークス優勝馬ラファの名が連なります。これらの馬も全て、同馬主の所有馬でした。

2歳時代：才能の片鱗

2歳（2019年）のデビューは、ヨークとニューベリーの競馬場で一般戦に挑みましたが、4着、3着と結果を残せませんでした。しかし、3戦目で初勝利を掴み取り、才能の片鱗を見せつけました。

3歳時代：ジョッケクルブ賞制覇

3歳（2020年）になると、本格的な活躍が始まります。まずサウジダービーで2着と好走。続くニューマーケットステークスでは1番人気の僚馬を退けて快勝し、実力を証明しました。

そして迎えたジョッケクルブ賞（仏ダービー）。ヴィクタールドラム、パオアルトなど強豪揃いの中、4番人気ながら見事勝利。直線での不利を跳ね除け、鋭い末脚で先頭に躍り出ました。この勝利は、ミシュリフの潜在能力の高さを改めて印象付けるものでした。騎乗したメンディザバル騎手は、その驚異的な末脚を絶賛しました。このレース後、騎乗停止処分を受けるものの、ミシュリフの強さは揺るぎないものでした。

続くギヨームドルナノ賞でも圧勝。デットーリ騎手は、ミシュリフの柔らかい馬場での適性を高く評価していました。

凱旋門賞を回避し、英チャンピオンステークスに挑戦しましたが、道悪の影響で8着と結果を残せませんでした。

4歳時代：世界制覇への道

4歳（2021年）は、世界を舞台に活躍の場を広げます。まず、サウジカップで優勝。世界最高の賞金総額を誇るこのレースで、1000万ドルもの賞金を獲得。ロンジン・ワールド・ベストレースホース・ランキングでもトップに躍り出ました。

続くドバイシーマクラシックでは、日本のクロノジェネシス、ラヴズオンリーユーとの激闘を制し、G1を制覇。イーガン騎手にとっても、G1初勝利となりました。ミシュリフの距離適性への懸念を払拭する勝利でもありました。

エクリプスステークスでは3着、キングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークスでは2着と、3歳馬相手に善戦しました。

そして、インターナショナルステークスでは6馬身差という圧勝劇を演じ、イーガン騎手と共に英国G1初制覇を成し遂げました。このレース後、ブリーダーズカップ・ターフやジャパンカップへの遠征も検討されました。

英チャンピオンステークスでは、再びアダイヤーとの対決が注目されましたが、4着に終わりました。

5歳時代：栄光と引退

5歳（2022年）のサウジカップでは、連覇ならず14着と大敗を喫しました。しかし、その後もエクリプスステークスで2着、キングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークスで3着、インターナショナルステークスで2着と、高いレベルで戦い続けました。アイリッシュチャンピオンステークス4着、凱旋門賞13着と結果を残せず、ブリーダーズカップ・ターフ4着の後、引退を迎えました。

引退後

引退後はフランスで種牡馬入りしましたが、体調不良のため種付けは延期されました。

まとめ

ミシュリフは、世界最高峰のレースを制覇した、まさにレジェンドと言える競走馬です。その活躍は、多くの人々に感動と興奮を与え続けました。その血統、能力、そしてレースでの戦いぶりは、競馬史に永遠に刻まれるでしょう。

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