エンプティ・セラ症候群

エンプティ・セラ症候群について

エンプティ・セラ症候群は、クモ膜下腔がトルコ鞍（トルコ鞍とは、脳内に位置する構造の一つ）に入り込み、脳脊髄液で鞍の内部が満たされる状態を指します。これはMRIなどの画像診断により、鞍内に髄液が見られることで確認されます。この症候群はその原因によって大きく原発性と続発性に分類されます。

原発性エンプティ・セラ症候群

原発性のエンプティ・セラ症候群は特に中年の女性に多く見られる傾向があります。これに伴って、視力障害や頭痛、さらには内分泌系に関連する症状が現れることがあります。内分泌症状としてはホルモンバランスの変化が考えられ、具体的には月経異常や体重変化といった症状が挙げられます。このような症状が現れる理由は、トルコ鞍内に位置する下垂体腺が影響を受けるためです。

続発性エンプティ・セラ症候群

一方続発性のエンプティ・セラ症候群は、下垂体手術や放射線療法など、医学的な介入によって引き起こされるものです。この場合、内臓の下垂体がダメージを受けることにより、鞍内に脳脊髄液が流入し、空虚な状態になります。このような症例では、術後に視力障害が再発することもあるため、注意が必要です。

症状と診断

エンプティ・セラ症候群は通常無症状で見られることが多いのですが、何らかの症状が発生した場合には、最初に視力障害が挙げられます。実際には頭痛や内分泌系の問題も併発することがあります。診断は、主にMRI検査を通じて行われ、鞍内に髄液が存在するかどうかが確認されます。

治療と対策

無症状の場合には特別な治療は不要ですが、視力障害などの症状が確認された場合には対症療法が行われます。また、術後の視力障害が急激に悪化する場合、開頭手術が選択されることもあります。これは、視神経の圧迫を解除することを目的として行われる手術です。

まとめ

エンプティ・セラ症候群は、特に中年女性に多く見られ、無症状のことが多い病気ですが、場合によっては視力障害や頭痛を引き起こす可能性があります。MRI診断によって確認できるこの状態において、適切な治療や対処が求められることがあります。頭痛や視力に異常を感じた場合は専門医の診察を受けることが大切です。

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