エーワンベーカリーのうた

エーワンベーカリーのうた

概要

「エーワンベーカリーのうた」は、昭和30年代後半にあたる1961年頃に制作された日本のコマーシャルソング（CMソング）です。この楽曲は、大阪市北区南森町に本社を置き、新梅田食道街や天王寺駅に店舗を構えていたエーワンベーカリーが、自社の製品やブランドを広報する目的で企画されました。

楽曲構成と制作

本楽曲は、全体で3番までの歌詞で構成されています。それぞれの歌詞は、エーワンベーカリーが扱う代表的な製品をイメージして作られました。具体的には、1番が洋菓子、2番がパン、そして3番がアイスクリームを題材としています。

歌唱は、当時絶大な人気を誇っていた女性デュオ、ザ・ピーナッツが担当しました。作詞は花田鶴彦が手がけ、作曲は桜井順が担当しました。桜井順は、この楽曲の制作時期と同時期に、NHKのテレビドラマ『若い季節』の音楽も手がけています。

プロモーション展開

エーワンベーカリーは、このコマーシャルソングを活用したユニークなプロモーションを展開しました。当時、店頭でクリスマスケーキを購入した顧客に対し、この楽曲が収録されたソノシートを配布していたのです。ただし、このソノシートには「エーワンベーカリーのうた」だけでなく、クリスマスシーズンにふさわしい他の楽曲も併せて収録されていました。具体的には、小鳩くるみが歌うクリスマスの定番曲「きよしこの夜」や、和田弘とマヒナスターズによる「ジングル・ベル」などが含まれていました。

現在の状況と音源について

時を経て、ザ・ピーナッツが音楽活動から引退したことや、エーワンベーカリー自身もテレビCMなどでの楽曲放送を行わなくなったことから、「エーワンベーカリーのうた」は現在、商業的な用途で使用されていません。

また、この楽曲の音源に関しては、すべてが完全な形で残されているわけではないという状況があります。現在確認できる音源は2番までであり、3番の歌詞に対応する音源は残念ながら現存していません。かつて配布されたソノシートも、3番は収録されていませんでした。このため、2004年11月26日に発売されたザ・ピーナッツのCD-BOXセット『ザ・ピーナッツ メモリーズBOX』のディスク7「レア・モア・コレクション」に本楽曲が収録されていますが、こちらも入手可能な音源が2番までであることから、収録内容は2番までとなっています。

楽曲名の正式表記

日本音楽著作権協会（JASRAC）に届け出られている本楽曲の正式な題名は、「エーワンベーカリーのうた」とひらがな表記で登録されており、漢字を用いた「エーワンベーカリーの歌」ではありません。

この情報は、キングレコードから発売された『ザ・ピーナッツ メモリーズBOX』の解説書や、かつてエーワンベーカリーが配布したソノシート「Merry Christmas」の裏面に記載された音符や歌詞に基づいています。

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