オイカワデニム

有限会社オイカワデニムについて

有限会社オイカワデニムは、宮城県気仙沼市に位置するデニム衣類の企画・製造・販売を行う企業です。特に、オリジナルブランド「STUDIO ZERO」で知られ、デニム業界において独自の地位を築いています。また、世界的なブランドの復刻モデルの製造も手掛け、高い技術力を誇っています。

企業の沿革

オイカワデニムの前身は、気仙沼市で呉服商を営む及川家にあります。1981年に設立されて以来、多くの歴史と変遷を経て、特に1990年代にはエドウインなどの大手ブランドから多くの下請け受注を受けるようになりました。しかし、デニム製品の生産が中国に移ったことにより、受注が激減し、企業は深刻な危機に直面しました。

この経験を踏まえ、オイカワデニムは早くからリメーク・ジーンズの製造に取り組むことで新たな道を開きました。2005年には「STUDIO ZERO」としてとしてのオリジナル商品の開発に成功し、国内外で注目を集めるようになりました。

東日本大震災とその影響

2011年3月の東日本大震災において、オイカワデニムは自社の社屋は被害を免れたものの、倉庫に保管されていた約5,000本のジーンズが津波により流失しました。この惨事から一部のジーンズが発見され、珍しくもほつれがほとんどなかったことから「復興のジーンズ」または「奇跡のジーンズ」として広く知られるようになりました。

震災直後、オイカワデニムの工場の床にデニム生地を敷いて避難所として開放したことも、一時の地域の支援活動として評価されました。その後、4月からは工場の操業を再開し、未経験者を新たに採用、オリジナル雑貨のブランド「SHIRO 0819」も立ち上げました。

現在の取り組み

2016年には及川洋氏が代表取締役社長に就任し、企業の方向性が新たに定まりました。近年では、廃棄物として扱われていたメカジキの吻を繊維化し、「すべてが土に還るジーンズ」をテーマにした天然素材ジーンズ「メカジキデニム」の開発にも注力しています。これにより、環境への配慮を示しつつ、革新的な製品を提供し続けています。

オイカワデニムは、地域の文化や歴史を大切にし、また、その精神を受け継ぎながら新たな挑戦を続ける企業です。今後も希少なデニムの提供に加え、地域貢献の精神を保ちながら進化を遂げていくことでしょう。

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