オウム真理教東京総本部火炎瓶投擲事件

オウム真理教東京総本部火炎瓶投擲事件の詳細

1995年3月19日、東京都南青山にあるオウム真理教東京総本部で発生した火炎瓶投擲事件は、オウム真理教が関与する一連のテロ事件の一つです。この事件は教団の内部の計画によるものであり、捜査の撹乱が目的であることが明らかになっています。

事件の経過

事件が起こったのは午後8時45分頃、オウム真理教の信者で、陸上自衛隊第1空挺団の3等陸曹である者が女装して東京総本部に侵入しました。持参した火炎瓶をオウム経営のパソコンショップ「マハーポーシャ」に投げつけ、建物が炎上しました。この際、周囲には「麻原死ね」や「オウム真理教を許さない」といった誹謗中傷のビラも撒かれました。

裏にあった陰謀

この火炎瓶投擲事件は、教団の諜報部門を統括していた井上嘉浩によって計画されました。井上は自らの部下である3等陸曹に実行を指示し、事件を自作自演としました。この行動は、地下鉄サリン事件の直前に行われ、捜査の混乱を狙ったものでした。井上はこの事件を島田裕巳宅爆弾事件とともに企てたとされています。

その後の展開

事件の発覚は4月28日に、火炎瓶投擲を行った信者の自供によってもたらされました。結果、井上や共犯者の3等陸曹、山形明、平田信といった教団の関与者が、火炎瓶処罰法違反で起訴されることとなりました。実行役の3等陸曹は、別の事件にも関与していたため、懲役5年の刑が言い渡され、その結果として自衛隊は懲戒免職となりました。

事件の影響

この事件はオウム真理教の活動がもたらした恐怖と混乱の一端を示しており、教団に対する捜査や社会の警戒を呼び起こしました。オウム真理教はその後も様々な犯罪行為を続けることとなりますが、このような内部の陰謀を暴くことは問題解決の手がかりとなりました。

関連事件

今回の事件には、他にも島田裕巳宅爆弾事件や村井秀夫刺殺事件が関連しています。これらの事件もオウム真理教の陰謀の一環であり、教団内での緊張感や混乱を反映しています。また、これらの事件は「偽旗作戦」の一例とも考えられ、その手法に注目が集まっています。

オウム真理教東京総本部火炎瓶投擲事件は、オウム真理教事件の中でも特筆すべきものとして、組織内の破滅的な計画とその影響を知るための貴重な事例となっています。この事件は1995年の日本社会において、犯罪やカルトの影響を再認識させた重要な瞬間だったと言えるでしょう。

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