オオキンケイギク

オオキンケイギク（大金鶏菊）

オオキンケイギク（Coreopsis lanceolata）は、キク科に属する多年草で、鮮やかな黄色の花を咲かせます。北アメリカ原産で、かつてはドライフラワーとして利用されていましたが、その繁殖力の強さから、現在では特定外来生物に指定されています。

分布

原産地は北アメリカですが、日本を含む世界各地に分布を広げています。日本では、明治時代に観賞用として導入されました。

特徴

草丈：30 - 70cm
葉：狭倒披針形で、両面に粗い毛が生えています（毛のないケナシオオキンケイギクという種も存在します）。
花期：5 - 7月
花：径5 - 7cmの頭状花で、黄橙色の舌状花が特徴です。中心部の筒状花も同色です。
その他：1平方メートルあたり3000-5000粒もの種子を生産します。

キバナコスモスに似ていますが、葉の形や花の色で区別できます。キンケイギクも近縁種ですが、全体的に小さく、筒状花が紫褐色である点が異なります。

外来種問題

オオキンケイギクは、繁殖力が非常に強く、一度定着すると在来植物を駆逐する恐れがあります。特に、カワラナデシコなどの在来種への影響が懸念されています。そのため、2006年に外来生物法に基づき、栽培、譲渡、販売、輸出入などが原則禁止されました。また、日本生態学会によって「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選定されています。

河原や道端などで大群落を形成していることが多く、河川植生への侵入が問題視されています。自然度の高い環境にも侵入・定着する可能性があり、森林化が進んでも残存し続けると考えられています。

除去方法

特定外来生物に指定されているため、駆除が推奨されています。効果的な除去方法としては、種子ができる前に花を刈り取るか、根元から引き抜くことが挙げられます。再生を防ぐためには、周辺の地下茎や根も取り除くことが重要です。

除去したオオキンケイギクは、生きたまま移動させることは原則禁止されています。種子が付いている場合は、ビニール袋に入れて拡散を防ぎ、枯殺・焼却処分する必要があります。

参考文献

長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年
村上興正、鷲谷いづみ 著「日本の侵略的外来種ワースト 100」、日本生態学会 編『外来種ハンドブック』地人書館、2002年

関連項目

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律

外部リンク

* 特定外来生物の解説：オオキンケイギク（環境省）

注意： 外来種を緑化目的で野外に植えることは、自然環境保全上好ましくありません。

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