オオシマドジョウ

オオシマドジョウ（大縞泥鰌）

オオシマドジョウはドジョウ科に属する魚で、正式な学名がまだ定まらないながらも、2012年に標準和名として認識されました。以前はミステリアスな存在として、シマドジョウ西日本グループの4倍体型として知られていました。この魚は主に日本の本州、特に瀬戸内海と日本海に流れ込む河川に生息しています。

分布

オオシマドジョウは主に本州の瀬戸内海流入河川や福井県以西の日本海流入河川、さらには四国の同様の流域や淡路島、九州の大分川、大野川などにも分布しています。彼らは中流域の砂底や砂礫の底、または水が澄んだ湖や淵の平瀬に生息しており、特に砂に潜り込む行動が目立ちます。

形態

オオシマドジョウは全長が10〜14cm程度で、他のシマドジョウ属の魚に比べてやや大きめです。特徴的な体表には、背面に不明瞭な暗色斑があり、側面には明確な暗色斑が1列に並んでいます。また、体側には濃紺の縦帯が走っており、尾鰭の付け根には2つの黒色斑が存在します。尾鰭自体にも2〜4裂の黒斑があります。特徴的なのは、雄の胸鰭が雌よりも大きい点であり、骨質盤はくちばしのような形をしており、先端が後方に湾曲しています。口髭は比較的長く、尾鰭の付け根に見られる黒点は目立つ存在です。

生態

繁殖は5月から6月にかけて行われ、オオシマドジョウは流れ込みの細流にある水生植物の根や茎に、卵を1つずつ散らばせます。食性については、砂底に生息する小動物や水生昆虫、藻類やデトリタスを食べていることが知られていますが、詳細な生態についてはまだ解明されていない部分があります。卵の直径は約2.1mmであり、白色の卵黄や薄くて粘着性の卵膜を持っています。受精の後、2〜3日で卵がふ化し、さらに2日後には全長5.1mmに達し、外鰓が長く伸びる様子が観察されます。

地方名

オオシマドジョウの地方名は地域によって異なり、広島県では「スナドジョウ」と、山口県では「スジ」という名前で呼ばれています。また、生息地全体ではシマドジョウやカワドジョウ、ササドジョウとして混称されることもあります。

このように、オオシマドジョウは日本特有の美しい水生生物であり、今後の研究でさらに多くのことが明らかになることが期待されています。

もう一度検索