オオバコ科

オオバコ科 (Plantaginaceae) の概要

オオバコ科は、双子葉植物に属するシソ目の一部であり、世界中に分布している多様な植物群です。この科には、約90属、1700種が確認されており、いくつかの有名な植物を含んでいます。オオバコ科は長い間、形態に基づく古い分類体系の中では小規模な科として扱われていましたが、近年の分子系統学の研究により、分類が大きく見直されています。

新たな分類体系

かつてはオオバコ科に含まれていた植物は、ゴマノハグサ科とされていましたが、分子系統学の発展に伴って、これらの植物群が多系統であることが明らかとなりました。そのため、APG植物分類体系ではオオバコ科が新たに再編成され、キンギョソウ、オオイヌノフグリ、ジギタリスなどを含む科として扱われるようになりました。

構成する属の多様性

オオバコ科の中には、以下のような主な属が存在します：

• - Angelonieae: 6属
• - Gratioleae: 29属
• - Russelieae: 2属
• - Cheloneae: 9属
• - キンギョソウ連 (Antirrhineae): 29属
• - Sibthorpieae: 2属
• - Globularieae: 3属
• - Digitalideae: 3属
• - Plantagineae: 3属
• - クワガタソウ連 (Veroniceae): 16属

特にオオバコ属 (Plantago)は、多くの種を含み、オオバコやトウオオバコといった有名な植物が存在します。また、クワガタソウ属 (Veronica) には数多くの種があり、日本でもなじみのあるオオイヌノフグリなどが含まれています。

系統樹と過去の分類

オオバコ科の系統樹は、近年の研究によって明確化されています。過去の新エングラー体系やクロンキスト体系と比較すると、現在のオオバコ連 (Plantagineae) がその基盤であるということがわかります。特にオオバコ属、Bougueria、Littorellaの3属は、形態的に特殊であり、独立のオオバコ目として扱われていました。

これらの植物は、世界の温帯地域を中心に広く分布しており、多くは草本植物として存在しています。葉はしばしばロゼット状に形成され、特定の種では地上茎が枝分かれすることもあります。花は両性で小さく、4数の放射相称を持ち、長い茎の先に穂状または頭状の花序を形成します。果実は主に横に割れる蒴果であることが多く、中には堅果のものも見られます。

結論

オオバコ科は、以前の分類体系から大きく変わりつつあり、分子系統学による研究によってその多様性が次第に明らかになっています。今後もこの科に属する植物についての理解が進むことで、新たな知見が得られることが期待されています。

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