オオメマトウダイ科

オオメマトウダイ科について

オオメマトウダイ科（学名：Oreosomatidae）は、マトウダイ目に属する魚類のグループです。この科には、主に深海に棲息する底生魚が含まれ、全体で約4属10種が確認されています。オオメマトウダイという名の由来は、ギリシア語の「oreos」（山）と「soma」（体）から来ているとされています。

分布と生態

オオメマトウダイ科の魚類はすべて海水魚で、主に大西洋、インド洋、太平洋、など広範囲にわたる海域に生息しています。特に、南アフリカ沖やオーストラリア南部の海域で多く見られることが報告されています。また、一部の種類は底引き網などで漁獲され、食用として利用されることもあります。

この科の魚は、主に海底付近を泳ぎながら生活している底生性の魚類が多く、ほとんどの種は水深200メートル以深の深海に生息しています。彼らの主要な生息域は、400メートルから1,800メートルまでの大陸斜面であり、食性は肉食性で、他の魚や甲殻類を主に食べています。特に、ヒョウマトウダイのようにサルパ類を主食とする種も確認されています。オオメマトウダイ科の鱼の卵は浮性卵で、仔魚や稚魚は表層で浮遊生活を行い、その後底部に移動します。

形態

オオメマトウダイ科の魚類は、体高が高く、側面が平らに広がった独特の体型を持っています。他の深海魚と同様に、目が非常に大きいのが特徴です。体長は通常20センチから40センチ程度ですが、一部の最大種は68センチまで成長することがあります。口は上向きで、前方に突き出すことができるため、捕食の際には便利な構造となっています。

鱗は小型で、円鱗または櫛鱗の形状をしています。未成魚には、体表の一部に円錐状の甲板が見られることがあります。背鰭は棘条が5本から8本、軟条が28本から36本で構成され、腹鰭は5本から7本の軟条と1本の棘条を持ちます。この棘条の有無が近縁種であるベニマトウダイ科との識別点となっています。さらに、胸鰭の鰭条は17本から22本、臀鰭は2本から4本の棘条に加え、26本から33本の軟条を持ち、椎骨は34個から43個あります。

分類

オオメマトウダイ科は、Nelsonによる2016年の体系に従って4属9種または10種が認められています。FishBaseには、以下の4属10種が記載されています。オオメマトウダイ科は、Pseudocyttinae亜科とOreosomatinae亜科から成り立っています。

• - オオメマトウダイ属（Allocyttus）

- オオメマトウダイ (Allocyttus verrucosus)
- Allocyttus folletti
- Allocyttus guineensis
- クロマトウダイ (Allocyttus niger)

• - ツノマトウダイ属（Neocyttus）

- Neocyttus acanthorhynchus
- Neocyttus helgae
- Neocyttus psilorhynchus
- ツノマトウダイ (Neocyttus rhomboidalis)

• - ガクガクギョ属（Oreosoma）

- ガクガクギョ (Oreosoma atlanticum)

• - ヒョウマトウダイ属（Pseudocyttus）

- ヒョウマトウダイ (Pseudocyttus maculatus)

オオメマトウダイ科は、海洋生態系において興味深い存在であり、彼らの生態や分布についての研究は今後も続けられていくことでしょう。

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