オガライト

オガライト（ブリケット）とは

オガライトは、製材時に発生するおがくずを再利用して作られた、棒状の木質系固形燃料です。長さ30～50cm、太さ約5.2cmの円形または六角形の形状で、圧縮成型時に150℃で加熱されるため、外見は濃い茶色をしています。加熱によっておがくず中のリグニンが粘着剤として機能するため、添加物は一切使用されていません。

成型時には木質から高温高圧のガスが発生するため、ガス抜きとして中心部に直径約1cmの空洞があります。この空洞がないオガライトの成形は難しく、ガスがこもるとプレス部が暴発する危険性があるため、日本では一部メーカーを除きほとんど製造されていません。現在流通しているものの多くは、中国で製造され日本へ輸出されています。

燃焼後の灰の量は少ないとされますが、使用される木材の種類や部位によって異なります。灰の主な成分はシリカです。

オガライトの歴史

オガライトは、製材時に発生する大量のおがくずを資源として再利用するために、1925年に研究開発が始まりました。1950年代に製造が開始され、高度経済成長期には建築用木材の製材で大量に発生していたおがくずを有効活用するために、主に薪の代替として風呂の燃料として全国的に普及しました。

昭和40～50年頃にはオガライトの出荷量が最盛期を迎え、全国オガライト協同組合の組合員数は全国で830軒を超え、非組合員を含めると1000軒以上を数えました。しかし、住宅事情の変化に伴い、1970年代以降はオガライトを直接使用する市場は急速に縮小し、現在では日本国内の製造会社は20数軒ほどとなっています。

その後、オガライトを炭化させたオガ炭が、炭焼きをアピールする飲食店などで広く使われるようになりました。オガ炭は日本の技術指導によって中国やインドネシアでも多く生産されていますが、海外ではオガライトはほとんど流通しておらず、工場内でオガライト製造ラインと炭化工程が一体化されており、オガ炭として消費地へ輸出されています。

日本木質成形燃料協同組合は一旦解散しましたが、その後、平成に入り、社団法人全国燃料協会内の日本オガ炭生産者協議会として復活しています。

オガライトの用途

オガライトは、着火性が良く、火持ちが良く、火力が強いという特徴があるため、五右衛門風呂や薪ボイラーの燃料として用いられてきました。現在でも市販されており、15kgあたり1500～2500円と比較的に安価に入手できます。

初心者でも比較的簡単に着火でき、安価で火持ちが良く、燃焼が安定すると煙臭も少なく、炭火のように安定した長時間にわたる高火力を維持できるため、安価なマングローブ炭よりもキャンプでの調理やバーベキューに向いています。炭や練炭よりも簡単に着火でき、後始末の灰も少ないため、釣りなどの暖としても利用されています。また、薪ストーブの焚き付け用にも最適です。

業務用としては、ビニールハウスの暖房用燃料としても利用されています。

オガ炭への加工

オガライトを炭化したものをオガ炭と呼びます。燃焼中に細かい灰が出て飛び散る可能性はあるものの、安価で均質、火持ちが良く煙が少ないという特徴から、焼き鳥、焼肉、その他、炭での焼き物を行う飲食店などで多く利用されています。特に、備長炭である必要がないお店で重宝されています。

関連項目

風呂
オガ炭
バイオマス
木質ペレット
木炭
練炭

外部リンク

日本オガ炭生産者協議会
オガライト,地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 森林研究本部　林産試験場

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