オクタビオ・ドーテル

オクタビオ・ドーテル：球界を渡り歩いたドミニカの剛腕

オクタビオ・エドゥアルド・ドーテル・ディアス（Octavio Eduardo Dotel Diaz, 1973年11月25日 - 2025年4月8日）は、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身のプロ野球選手（投手）でした。右投右打の彼は、MLBの13球団でプレーし、そのジャーニーマンぶりは『ギネス世界記録2014』にも「在籍したメジャーリーグチーム最多数」として掲載されています。

プロ入りからアストロズ時代

1993年5月20日にドラフト外でニューヨーク・メッツに入団し、1999年6月26日にメジャーデビューを果たしました。メッツでは先発としても登板しましたが、2000年にヒューストン・アストロズへ移籍してからはリリーフとしての地位を確立。2001年には105イニングで145奪三振を記録するなど、その奪三振能力の高さを発揮しました。2002年には83試合に登板し、防御率1.00台という驚異的な数字をマークしています。

オークランド・アスレチックス以降

2004年にはオークランド・アスレチックスへ移籍し、クローザーとして活躍。その後も、ニューヨーク・ヤンキース、カンザスシティ・ロイヤルズ、アトランタ・ブレーブス、シカゴ・ホワイトソックス、ピッツバーグ・パイレーツ、ロサンゼルス・ドジャース、コロラド・ロッキーズ、トロント・ブルージェイズと、数々の球団を渡り歩きました。その間、2011年にはセントルイス・カージナルスの一員としてワールドシリーズ制覇を経験しています。

デトロイト・タイガースと引退

2011年からはデトロイト・タイガースに所属し、2012年には通算700登板を達成。2013年にはWBCドミニカ共和国代表にも選出されました。しかし、同年6月に右肘を故障し、2014年に引退を表明しました。

選手としての特徴

ドーテルの持ち味は、最速150km/hを超えるストレートと、スライダー、カーブを組み合わせた投球術でした。特に奪三振能力に優れ、10シーズンで奪三振率が10を超えるなど、多くの打者を手玉に取ってきました。右打者にはスライダー、左打者にはカーブを有効に使うなど、状況に応じた投球が彼の持ち味でした。

人物像と晩年

ドーテルは、1993年にメッツと契約した直後に父親を強盗によって亡くすという悲しい過去を経験しています。また、2019年には麻薬密売とマネーロンダリングの容疑で逮捕されるなど、波瀾万丈な人生を送りました。2025年4月8日、サントドミンゴのナイトクラブで発生した事故に巻き込まれ、51歳という若さで生涯を閉じました。

記録と功績

MLB13球団でプレー（MLB歴代1位）
2011年ワールドシリーズ優勝（セントルイス・カージナルス）
* 2013年WBCドミニカ共和国代表

オクタビオ・ドーテルは、その長いキャリアの中で、数多くのチームに貢献し、ファンに感動を与えました。彼の名は、MLBの歴史にその名を刻み、記憶されることでしょう。

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