サントドミンゴ

サントドミンゴについて

サントドミンゴ（スペイン語: Santo Domingo）は、カリブ海地域の中央に位置するドミニカ共和国の首都で、約96万人の人口を抱えています。2010年の統計によると、その都市圏はカリブ海で最大の規模を誇ります。サントドミンゴは、アンティル諸島における最初のヨーロッパの植民地であり、1990年にはその歴史的価値が認められ、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

歴史的背景

この地には1492年、クリストファー・コロンブスが到着する以前からタイノ族が住んでおり、彼らはその島をキスケヤ（Quisqueya）やアイティ（Ayiti）と呼んでいました。コロンブスはこの土地をイスパニョーラ島と名付け、周辺地域の探検を始めました。その結果、ドミニカ共和国と現在のハイチ共和国が形成されることになります。

早期の植民地化

1496年、スペイン人がこの土地に定住し、サントドミンゴは南北アメリカで初めての欧風都市として公式に認知されました。その設立は、コロンブスの弟バーソロミュー・コロンブスによって行われ、初期の住居区は女王イサベル1世にちなみ「ラ・イザベラ」と名付けられましたが、後にドミニコの名にちなんで「サントドミンゴ」と改名されました。

しかし1502年にハリケーンによって壊滅的な被害を受け、再建が行われることになりました。コロニアル・ゾーンと呼ばれるエリアには、当時の建物や防護壁が今日でも残っており、16世紀の建築様式を色濃く反映しています。サントドミンゴは新大陸探査の拠点としても重要な役割を果たしました。

変遷する領有権

サントドミンゴはその後20世紀にかけて、歴史の渦に巻き込まれます。1586年にはフランシス・ドレークによる襲撃を受け、またオリバー・クロムウェルに率いられたイングランド軍も襲撃を試みましたが、撤退を余儀なくされました。1795年から1822年にかけて、所有権が何度も変動し、最終的には1844年にハイチから独立を果たします。

その後も、さまざまな政治的争いや内戦が続く中で、サントドミンゴは不安定な状況に置かれました。1861年には再びスペインによる支配を受けるも、1865年にスペインが撤退し、再度独立を達成しました。

近代の発展

サントドミンゴは、1930年にハリケーン「サンセノン」によって甚大な被害を受け、再建の後、ラファエル・トルヒーヨが大統領になると一時的に「シウダートルヒーヨ」と改名されました。しかし、1961年のトルヒーヨの暗殺後に元の名称に戻ります。1965年にはドミニカ内戦が発生し、アメリカの軍事介入が行われ、市街戦が展開されました。

1992年には、コロンブスの新大陸発見から500年を迎え、サントドミンゴではコロンブスの灯台が建設されましたが、これに関しては議論も生じています。

文化・交通・姉妹都市

サントドミンゴは、文化的な名所が多く集まっています。地下鉄も整備されており、2009年からの運行が始まりました。また、ラス・アメリカス国際空港も運営され、交通の中心地となっています。さらに、ブエノスアイレスや台北、ニューヨーク、マイアミ、マドリードなどといった国際的な姉妹都市があります。

このようにサントドミンゴはその歴史的背景と文化遺産、さらには現代の発展において、ドミニカ共和国の中心的存在です。

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