オクテット (コンピュータ)とは？意味をやさしく解説

オクテットとは

オクテット（octet）は、コンピュータや通信の分野で用いられる用語で、厳密に8ビットのデータ単位を指します。これは、しばしば「バイト」という言葉と混同されがちですが、歴史的な経緯や特定の技術文書においては、「オクテット」は常に8ビットを意味する点で重要です。

バイトとの違い

「バイト」という用語は、初期のコンピュータでは必ずしも8ビットを意味していませんでした。様々なコンピュータアーキテクチャが存在した時代には、異なるビット数の単位が「バイト」として扱われていました。しかし、System/360やマイクロコンピュータの普及に伴い、1バイト＝8ビットという概念が一般的になりました。現在では、IEC 80000-13 によって「バイト」は8ビットと正式に定義されています。

しかし、一部の大型コンピュータなどでは、混乱を避けるため「オクテット」という用語が意図的に使用されることがあります。これにより、8ビットという単位を明確に示し、曖昧さを排除する役割を果たしています。

オクテットの表現

オクテットは8つのバイナリビットで構成されるため、しばしば16進数、10進数、8進数で表現されます。例えば、全てのビットがオン（1）の場合、以下のようになります。

- 2進数：11111111
- 16進数：FF
- 10進数：255
- 8進数：377

これらの表現は、特にデータやアドレスを扱う上で頻繁に用いられます。

ネットワークにおけるオクテット

オクテットは、Internet Protocol (IPv4) ネットワークのアドレスでも使用されています。IPv4アドレスは4つのオクテットから構成され、通常は10進数でドット区切りで表示されます（例：192.168.1.1）。各オクテットは0から255までの値を持ち、全てがオンの場合、最大値は255.255.255.255となります。

接頭辞との組み合わせ

オクテットは、SI接頭辞（キロ、メガ、ギガなど）や2進接頭辞（キビ、メビ、ギビなど）と組み合わせて使用できます。これにより、大きなデータ量を表現することが可能です。

- キロオクテット (kB): 10^3 オクテット
- メガオクテット (MB): 10^6 オクテット
- ギガオクテット (GB): 10^9 オクテット
- テラオクテット (TB): 10^12 オクテット

語源

「オクテット」という言葉は、ラテン語やギリシャ語の数字の「octo-」（8）に由来しています。これは、「8個組」を意味し、まさに8ビットのデータ単位を表しています。

類似の用語

オクテット以外にも、特定のビット数を指すために類似の用語が存在します。

- nonet: 9ビットを指す用語 (RFC 4042に記述あり)
- septet: 7ビットを指す用語
- hexadecet: 16ビットを指す用語
- quartet: 4ビットを指す用語（ニブルとも呼ばれる）

その他の使用例

Unix系のオペレーティングシステムでは、ファイルパーミッション（読み取り、書き込み、実行）を表すために3ビットが使用されます。本来は「permission triplet」と呼ぶべきですが、3桁ごとの八進表現との混同から「permission octet」という用語が誤って使われることがあります。

まとめ

オクテットは、コンピュータの世界で正確な8ビットを指すための重要な用語です。特に通信プロトコルやネットワークアドレスの定義において、バイトとの曖昧さを避けるために不可欠です。この用語を理解することで、コンピュータにおけるデータ表現やネットワークの仕組みをより深く理解することができます。

オクテット (コンピュータ)