IEC 80000-13

IEC 80000-13:2008の概要

IEC 80000-13:2008は、[国際標準化機構]と[国際電気標準会議]が共同で発行するISO/IEC 80000シリーズの一部として、2008年にIECから発行された国際規格です。情報科学及び情報技術における様々な量と単位、それらの名称、記号を明確に定義することを目的としています。この規格は、情報技術分野における専門家間の共通理解を促進し、誤解を防ぐために不可欠な役割を果たしています。

規格の内容

IEC 80000-13は、大きく分けて以下の4つの章から構成されています。

1. 適用範囲: この規格が適用される範囲を明確に示しています。
2. 引用規格: この規格を理解する上で必要となる、他の関連規格を列挙しています。
3. 名称、定義、記号: 情報科学・情報技術分野における重要な量の名称、定義、そしてそれぞれの記号を詳細に規定しています。具体的には、以下の項目が含まれています。
トラヒック密度 (A): 特定の資源を同時に利用している資源の数の指標です。
要求トラヒック密度 (A0): 資源プールのサイズによって制限されずに、利用者から発生するトラヒック密度です。
伝送トラヒック密度 (Y): 特定の資源プールによって実際に伝送されたトラヒック密度です。
平均待ち行列長 (L): 待ち行列の長さの平均値です。
呼損率 (B): 発生した呼が損失する確率です。
待ち確率 (W): 発生した呼が資源を待たなければならない確率です。
呼数密度 (λ): 単位時間あたりに発生する呼の数です。
終了率 (μ): 発生した呼が完了する確率です。
4. 二進倍量の接頭辞: コンピュータの世界で頻繁に使用される、1024の累乗倍を表すための接頭辞を定義しています。具体的には、キビ(kibi-, 10241)、メビ(mebi-, 10242)、ギビ(gibi-, 10243)、テビ(tebi-, 10244)、ペビ(pebi-, 10245)、エクスビ(exbi-, 10246)、ゼビ(zebi-, 10247)、ヨビ(yobi-, 10248)といった接頭辞が定義されています。

情報技術関連の単位

この規格では、情報技術分野で広く用いられる以下の単位も定義しています。

アーラン (E): 通信トラフィックの量を表す単位です。
ビット (bit): デジタル情報の最小単位です。
オクテット (o): 8ビットからなるデータの単位です。
バイト (B): 一般的に8ビットを1バイトと呼びます。
ボー (Bd): 通信回線の変調速度を表す単位です。
シャノン (Sh): 情報量の単位です。
ハートレー (Hart): 情報量の単位です。
情報の自然単位 (nat): ネパーを単位とする情報量の単位です。

ISO/IEC 80000シリーズとの関連

IEC 80000-13は、ISO/IEC 80000シリーズの一部であり、このシリーズは様々な分野における量の[単位]]を体系的に定義しています。他の関連規格には、一般事項(ISO 80000-1)、数学記号(ISO 80000-2)、空間と[[時間]などがあります。これらの規格は、科学技術分野における共通の言語を確立し、国際的な連携を促進する上で非常に重要です。

まとめ

IEC 80000-13:2008は、情報技術分野における専門家にとって必須の規格です。この規格によって、情報通信技術に関する様々な量や単位の定義が明確化され、国際的な標準化が推進されています。これにより、情報技術分野におけるコミュニケーションの正確性と効率性が向上し、技術開発の進展に貢献しています。

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