おしゃれ泥棒

おしゃれ泥棒

『おしゃれ泥棒』（原題：How to Steal a Million）は、1966年に公開されたアメリカのロマンティック・コメディ映画です。監督はウィリアム・ワイラーで、主演にはオードリー・ヘプバーンとピーター・オトゥールが名を連ねています。この二人の化学反応が映画全体に楽しい雰囲気をもたらしており、特にヘプバーンの魅力が際立っています。

あらすじ

物語は、美術愛好家でありながら、実は腕利きの贋作画家であるシャルル・ボネ（ヒュー・グリフィス）が、自身が創り出した偽の美術品を競売にかけているところから始まります。彼の一人娘であるニコル（オードリー・ヘプバーン）は、父がいつ捕まるかという不安を抱えつつ、父に贋作をやめるように何度も説得しますが、シャルルはそのつもりは全くないようです。

ある日、美術商のソルネがシャルルのコレクションに疑惑を感じ、著名な美術鑑定家で探偵のデルモット（ピーター・オトゥール）に調査を依頼することになります。デルモットは夜にシャルルの邸宅に忍び込みますが、そこで偶然ニコルに見つかってしまいます。恥ずかしさから、デルモットは自分が泥棒だとウソをつき、ニコルは彼を信じ込みます。ニコルは、父が美術館に出展している贋作「チェリーニのヴィーナス像」を盗むようデルモットに依頼します。

美術館側はこの像を科学鑑定にかけると言い出したため、ニコルは焦ります。デルモットもニコルに一目惚れしてしまい、彼女のために知恵を絞り、最後の大仕事を計画しますが、果たして彼らの盗みは成功するのか、そして二人の関係はどうなるのでしょうか。

キャストとスタッフ

映画には他にも多くの魅力的なキャラクターが登場します。映画の製作はフレッド・コールマーが担当し、脚本はハリー・カーニッツが執筆しました。美術と撮影も各々見事に演出されており、特に美術デザインはアレクサンドル・トローネルによるものです。

音楽はジョン・ウィリアムズが担当しており、彼の名義は「ジョニー・ウィリアムズ」としてクレジットされています。ウィリアムズは後に『スター・ウォーズ』や『E.T.』など大作映画の音楽を手がけることになります。

撮影の裏側

撮影中、監督のワイラーはヘプバーンとオトゥールのコミカルな相性を絶賛し、彼らの存在が映画をより一層楽しくしていると述べています。また、撮影中に起きた事件として、マスク姿の一団が撮影所の守衛を縛り上げ給料を盗むというハプニングもありましたが、大きな問題には至らなかったようです。

評価と受賞歴

『おしゃれ泥棒』は公開後、多くの映画ファンから支持され、全米脚本家組合賞のコメディ部門にノミネートされたほか、いくつかの雑誌の読者投票でも高評価を得ました。特にオードリー・ヘプバーンの演技は多くの人々に記憶され、彼女の魅力が詰まった作品として愛されています。

この映画は単なるコメディにとどまらず、愛や冒険、そして美術というテーマを通じて、多くの人に感動を与える作品となっています。

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