オジジアン

オジジアン：輝かしい競走馬生活と種牡馬としての成功、そして穏やかな余生

オジジアン（1983年3月17日 - 2015年3月15日）は、アメリカ合衆国で生まれ育ったサラブレッド競走馬であり、後に種牡馬としても成功を収めた名馬です。日本では「オジジアン」の名で広く知られていますが、所有者からは「オガイジャン」と呼ばれていました。その名前の由来は、ギリシャ神話『オデュッセイア』に登場するオギュギア島にちなみ、正確には「オギュギアン」と表記するのが適切と言えるでしょう。

華麗なる競走馬時代

1985年にデビューしたオジジアンは、2歳時に3戦3勝の無敗の成績を収めます。中でもフューチュリティステークス（G1）での圧勝は特筆に値し、9馬身半差という圧倒的な強さで勝利を収めました。この活躍により、同年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを制したタッソーと並んで、2歳馬トップのレーティング126ポンドを獲得しました。3歳時には故障のためクラシック路線への挑戦を断念しましたが、それでもドワイヤーステークス（G1）、ジェロームハンデキャップ（G1）などG1競走3勝を含む通算10戦7勝という素晴らしい成績を残し、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

日本での種牡馬生活と成功、そして苦悩

1988年からアメリカで種牡馬入りしたオジジアンは、1996年から日本の浦河町イーストスタッドで供用されるようになりました。日本での活躍馬としては、重賞2勝のエイシンワシントンが最も有名です。エイシンワシントンの活躍もあり、オジジアンの名は日本でも広く知られるようになりました。その後もバトルライン、タイキダイヤといった重賞勝ち馬を輩出しましたが、中央重賞勝ち馬はジョーディシラオキのみとなり、日本の種牡馬としての活躍は徐々に陰りを見せ始めました。日本での繋養中に左目を失明したことも、その要因の一つと考えられます。

アメリカでの余生と偉大な遺産

2005年、オジジアンは功労馬保護団体オールドフレンズによってアメリカに買い戻され、ケンタッキー州の施設で余生を過ごしました。そして2015年3月14日、疝痛による合併症のため、32歳で安楽死となりました。

オジジアンは17世代にわたり産駒を残し、そのうち733頭が競走馬として活躍、473頭が勝ち上がり、23頭がステークス勝ち馬となりました。獲得賞金は約5230万ドルにものぼります。

しかし、オジジアンの真価は競走馬としての成績だけでなく、母の父としての成功にも見出せます。その代表格は、エクリプス賞とカルティエ賞の最優秀2歳牡馬に輝いたヨハネスブルグです。この他にも数々の優秀な競走馬を輩出し、種牡馬としての成績をはるかに凌駕する実績を残しました。

主な産駒と母の父としての活躍

オジジアンの代表産駒には、エイシンワシントン、バトルライン、タイキダイヤ、ジョーディシラオキなどがいます。これらの馬は、日本の中央競馬において活躍し、オジジアンの名を広く知らしめました。また、母の父としては、ヨハネスブルグ、ストリートボス、サンツェッペリンなど、数々の活躍馬を輩出しました。

血統と家族

オジジアンの母であるゴンファロンは、12頭の競走馬を産み、そのうち8頭が勝ち上がるという優れた繁殖能力を持っていました。オジジアンの近親には、甥にあたるオナーアンドグローリーもいます。

まとめ

オジジアンは、競走馬として、そして種牡馬として、また母の父としても、その卓越した能力を示した偉大なサラブレッドでした。その功績は、競馬史に長く記憶されるでしょう。 彼の物語は、競走馬の華麗な勝利と、種牡馬としての成功、そして穏やかな余生という、サラブレッドの生涯の様々な側面を示す、感動的なものです。オジジアンの活躍は、競馬ファンの記憶に深く刻まれ、これからも語り継がれていくでしょう。

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