オスプレイ級機雷掃討艇

オスプレイ級沿岸機雷掃討艇

オスプレイ級沿岸機雷掃討艇は、アメリカ海軍が運用していた機雷掃討艇で、全12隻が建造されました。本級は、海中での機雷掃除を効率的に行うために設計されており、その設計はイタリアのレリチ級機雷掃討艇を基にしています。

設計と構造

当初、アメリカ海軍はノルウェー海軍が開発したアルタ級掃海艇に類似した表面効果翼船として、カーディナル級機雷掃討艇の建造を計画していました。しかし、機雷の爆発による衝撃に対しての懸念から、この計画は中止されました。その代わりに構造が拡大されたレリチ級に基づいた設計が採用され、船体は長船首楼型であり、材料にガラス繊維強化プラスチック（GFRP）を使用したモノコック構造となっています。

主な推進力としては、イソッタ・フラスキーニ社製のID36 SS8V-AM 8気筒ディーゼルエンジンが搭載されています。主機関は水中放射雑音を低減するため、架台上に設置されています。また、低速時には180馬力の補助電動機２基により電気推進が行われ、定点保持用のバウ・スラスターも装備されています。

装備システム

オスプレイ級は、先に登場したアヴェンジャー級掃海艦と同様に、AN/SQQ-32可変深度ソナーとAN/SLQ-48自走式機雷処分具を搭載しています。AN/SQQ-32はレイセオン社とフランスのトムソン・シントラ社によって開発された機雷探知機で、35キロヘルツの周波数を使用し、海面から海底までを広範囲に探索する機能を有しています。また、機雷類別機能については445-650キロヘルツの周波数を利用し、高い分解能を提供しています。

一方で、AN/SLQ-48機雷処分具はハネウェル社によって開発され、深々度機雷の処理に特化しています。運用深度は約500メートルで、速力6ノットでの運用が可能です。この装備には高解像度ソナーとビデオカメラが組み込まれています。

配備とその後

オスプレイ級は、2006年から2007年の間にアメリカ海軍から退役し、その後は他国に譲渡されました。ギリシャ海軍とエジプト海軍は各2隻を受け取り、2008年にはトルコへの引き渡しも承認され、さらに台湾やインド海軍への輸出が進められました。特に、台湾に対する輸出は2012年に2隻が交付され、正式な再就役はその年の10月に予定されています。

このように、オスプレイ級沿岸機雷掃討艇はアメリカ海軍において重要な役割を果たし、その技術やシステムの一部は多くの国の海軍でも利用されています。

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