ノルウェー海軍

王立ノルウェー海軍

王立ノルウェー海軍（ノルウェーかいぐん、ブークモール：Sjøforsvaret、ニーノシュク：Sjøforsvaret）は、ノルウェー王国を代表する海軍組織です。海の安全を守る使命を持ち、沿岸警備隊もその傘下に位置しています。2009年時点で、現役兵約3,150人、徴集兵約1,250人と、予備役兵約320人から成り立っています。海軍の主拠点は、ベルゲン近郊のハーコンスヴァーン海軍基地であり、主にノルウェー海や北海に展開しています。

歴史

ノルウェー海軍の歴史は、10世紀のホーコン善王の時代に設立されたライダング（税金徴収部隊）にさかのぼります。この時期、ノルウェーはヴァイキング国家として知られていました。16世紀には、デンマークとノルウェーの間の同君連合により、両国は共通の海軍組織を持つことになりました。しかし、1814年以降のスウェーデン＝ノルウェー同君連合においては、軍がスウェーデンのものと分離され、独立したノルウェー海軍が維持されました。

1905年にノルウェーはスウェーデンとの同君連合を解消し、完全に独立しました。その後、20世紀初頭には海防戦艦を主力にした編成を行っていました。第一次世界大戦中は中立を保っていましたが、海軍にとってはUボートや仮装巡洋艦の脅威がありました。第二次世界大戦中の1940年には、ナチス・ドイツの北欧侵攻に対抗し、特にオスロ・フィヨルドでドイツ艦隊に対する防御に成功しました。

しかし、ノルウェー全土が占領されると政府はイギリスへ逃れ、戦争継続を選択しました。冷戦期には、近隣のソ連に対する防衛が重視され、軽快艦艇の整備が進められました。2009年時点では、約3,700名が従事し、主力のフリゲート艦や潜水艦、ミサイル艇を有していました。

組織

王立ノルウェー海軍は、海軍総監の指揮下に複数の部門が組織されています。これには、沿岸戦隊、フリゲート隊、潜水艦隊、沿岸哨戒隊、機雷戦隊、海軍猟兵隊、後方支援隊、海軍衛生隊が含まれています。また、海軍学校や沿岸警備隊も重要な役割を果たしています。

海軍学校では、新兵訓練施設や海上戦闘教育を行っており、士官候補生としての訓練も実施しています。主要な基地や施設には、ハーコンスヴァーン海軍基地、オーラウスヴァーン基地、カールヨハンソンスヴァーン基地があり、各基地はそれぞれ独自の機能を持っています。

装備

海軍は、通常動力型潜水艦やフリゲート艦、ミサイル艇をはじめとする多様な艦艇を保有しています。212CD型潜水艦、ウーラ級潜水艦、フリチョフ・ナンセン級フリゲート、シェル級ミサイル艇などがその一例です。また、回転翼機としてNHインダストリーズのNH90、アグスタウェストランドAW101などの航空機も導入されています。

特殊な役割

捕鯨国であるノルウェーでは、海軍が捕鯨船の護衛や反捕鯨団体への対処を行う役割も果たしています。王立ノルウェー海軍は、国の海域を守るため、さまざまな任務を実施しており、その活動は国内外で広く認識されています。

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