オスロ・フィルハーモニー管弦楽団

オスロ・フィルハーモニー管弦楽団（Oslo Philharmonic Orchestra）は、ノルウェーのオスロに本拠を置く、国際的に評価の高いオーケストラです。その歴史は19世紀に遡り、エドヴァルド・グリーグらによって設立されたクリスチャニア音楽協会を源流としています。

歴史

楽団の起源は1879年、エドヴァルド・グリーグらによって設立されたクリスチャニア音楽協会に遡ります。その後、国立劇場での公演も開始し、音楽文化の発展に貢献しました。1919年には、フィルハーモニック協会管弦楽団（Filharmonisk Selskaps Orkester）として再建され、これが現在のオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の前身となりました。

第二次世界大戦中には、ナチスの影響によりユダヤ系や前衛的な音楽家が排除される中、ストラヴィンスキー、エーリヒ・クライバー、ブルーノ・ワルターらが客演し、楽団の芸術性を支えました。戦後は、同時代の音楽を積極的に紹介することで、世界の楽壇での知名度を高めていきました。1979年には、現在のオスロ・フィルハーモニー管弦楽団に名称を変更。1996年には、ノルウェー議会の法令により財団法人化され、独立した組織として運営されています。

歴代の音楽監督

オスロ・フィルハーモニー管弦楽団は、これまで数々の著名な指揮者を音楽監督として迎え、その芸術性を高めてきました。イェオリ・シュネーヴォイクト、ヨハン・ハルヴォルセン、イグナーツ・ノイマルクなどが初期の音楽監督を務め、その後もジョセ・アイゼンシュッツ、イサイ・ドブローウェン、オド・グレネ＝ヘッゲ、オーラヴ・シェランといった指揮者が楽団を率いました。

20世紀後半には、ヘルベルト・ブロムシュテット、エイヴィン・フィエルスタード、ミルティアデス・カリーディス、オッコ・カムなどが音楽監督を務め、楽団の国際的な評価を高めました。特に、マリス・ヤンソンスは1979年から2002年までの23年間という長期にわたり音楽監督を務め、楽団の黄金時代を築きました。その後、アンドレ・プレヴィン、ユッカ＝ペッカ・サラステ、ヴァシリー・ペトレンコが音楽監督を引き継ぎ、2020年からはクラウス・マケラが首席指揮者として楽団を率いています。

歴代音楽監督・首席指揮者
1919年 - 1921年：イェオリ・シュネーヴォイクト
1919年 - 1920年：ヨハン・ハルヴォルセン
1919年 - 1921年：イグナーツ・ノイマルク
1921年 - 1927年：ジョセ・アイゼンシュッツ
1927年 - 1931年：イサイ・ドブローウェン
1931年 - 1933年：オド・グレネ＝ヘッゲ
1933年 - 1945年：オーラヴ・シェラン
1945年 - 1962年：オド・グレネ＝ヘッゲ
1962年 - 1968年：ヘルベルト・ブロムシュテット
1962年 - 1969年：エイヴィン・フィエルスタード
1969年 - 1975年：ミルティアデス・カリーディス
1975年 - 1979年：オッコ・カム
1979年 - 2002年：マリス・ヤンソンス
2002年 - 2006年：アンドレ・プレヴィン
2006年 - 2013年：ユッカ＝ペッカ・サラステ
2013年 - 2020年：ヴァシリー・ペトレンコ
2020年 - 現在：クラウス・マケラ（首席指揮者）

オスロ・フィルハーモニー管弦楽団は、その長い歴史と輝かしい実績を通じて、ノルウェーの音楽文化を牽引し、世界中の音楽ファンに感動を与え続けています。

参考文献

上地隆裕著『世界の[オーケストラ]上～パン・ヨーロピアン編～』株式会社芸術現代社、2017年。ISBN 978-4-87463-206-2。
音楽の友、レコード芸術編『最新版世界の名門オーケストラオーケストラ・ファン必携！』音楽之友社〈ONTOMO MOOK〉、2020年4月。ISBN 978-4-276-96306-1。

外部リンク

Oslo Philharmonic Orchestra - 公式ウェブサイト

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